東京・新宿区
歌舞伎町の通称「トー横」と呼ばれる一帯に出入りしていた女子中学生を脅し性売買をさせたとして、警視庁少年育成課は2月8日までに、児童福祉法違反などの疑いで、派遣社員の森田永樹容疑者(30歳)を逮捕した。
2月20日深夜、
歌舞伎町周辺を記者が訪れると、路上には未成年と見られる若い男女の姿が多く目立っていた。路上での性売買の問題が指摘されてきた大久保公園周辺はまばらで閑散としていたが、隣接するホテル街ではいまだにそれらしき女性の姿があった。
その多くは15歳〜20歳前後と見られる若い女性だったが、中には中高生ほどの年齢に見えるあどけない顔立ちの少女も見受けられた。
「最近は一日100人くらいの未成年がトー横にいます。前より増えているのはTikTokでトー横がよく取り上げられているからでしょう」
そう語る木島未由さん(仮名・18歳)も、かつて14歳からトー横に出入りし、性売買をしていた一人だ。現在は新宿・
歌舞伎町で若者を支援するボランティア団体の一員として活動している。
「中学2年生の頃、父親からの暴力を苦に家を出て、生活のために地元の繁華街で売春をしていました。あるとき、私をよく買っていた客の男から『
歌舞伎町に来たらプラスでお金をあげるよ』と言われました。とにかく生きるためのお金が少しでも多く欲しかったのと自暴自棄だったこともあり、言われるがまま、
歌舞伎町へ向かいました」
◆必死に客を取っても生活はラクにならなかった
トー横のある新宿区・
歌舞伎町はほかの地域に比べて圧倒的多数の買春客が存在し、何人も相手にすれば高い収入を得られた。木島さんは親から離れるため、路上で必死に客を取った。しかし、生活はラクにならなかったという。
「多いときで一日20万円ほど稼げることがありましたが、14歳なので家を借りられない。結局、道端で出会ったホストにアパートを借りてもらっていたんですが、稼いだお金をそのホストに徴収されてしまい……。保険証なども奪われた状態だったので、逆らうことができなかったんです」
一時は児童相談所にも保護されたが、自分から出てきてしまったという。
「スマホすら使えない刑務所のような児相の生活に耐えられなくて、またすぐに
歌舞伎町に戻ってしまいました。私はそのあと女性支援団体と繫がれたのでなんとか立ち直れましたが、今も
歌舞伎町には、かつての私のように弱みを握られて不当な売春をさせられている女のコがたくさんいます」
◆会社員が副業で未成年売春をあっせん
「性売買で生活費を稼ぐ貧困少女を男性が食い物にする、こうした手口は
歌舞伎町では少なくないです」
そう話すのは、
歌舞伎町で少女たちの保護活動を行うNPO法人「ぱっぷす」代表の金尻カズナ氏だ。
「虐待やネグレクトを理由に家出をし、居場所がない貧困少女が最も支配しやすい。それを知っている男性が、
歌舞伎町に集い、たむろしている少女に声をかけて家に住まわせたり、意に反して
歌舞伎町で性売買をさせたりする例が少なくありません。最近は道端で声をかけるだけでなく、SNS経由で売春を強要されたという事例も後を絶ちません。SNSの投稿からお金に困っているような少女を見つけ、『裸の写真を送ってくれたらお金をあげる』とメッセージを送る。写真を受け取ったあと、『これを親や友達にバラまかれたくなければ客と待ち合わせしてホテルへ行け』と指示し、管理売春を強要するんです」