◆話題の投稿主を直撃。心境を聞く
Open AI社の「ChatGPT」を始め、Googleの「Gemini」やXの「Grok」など、近年は一般レベルでも
生成AIの普及速度が凄まじい。例えばビジネス現場ではリサーチや資料ラフの制作、日常生活では料理メニュー提案や買い物での店舗選び、時には恋の相談や一人飲みの愚痴相手まで、文字通り何でもやってくれる頼れるパートナーであるのは間違いない。一方、文章の執筆やイラスト制作といった、コンテンツ制作・クリエイティブの分野が、
生成AIの影響力に大きく揺さぶられているのも事実である。
そこで今回は冒頭のポストをした、X上でのユーザー名「
生成AIに仕事を奪われた男@FFFの民」さんにインタビューを実施。遭遇したトラブルの経緯や心情を本人の口から語ってもらおう。筆者自身もWebライターであり、この問題に決して他人事ではいられない身だ。これから訪れるであろうAI全盛時代に備えてのヒントを掴んでいきたい。
◆2025年夏に独立。きっかけは?
「あのXをポストして以来、様々な方々から反響がありまして。仕事上の付き合いのある方々から『この仕事は良かったらどうかな?』などとオファーを頂いたこともあって感謝しています」(Eさん、以下同じ)
「
生成AIに仕事を奪われた男@FFFの民」さんは東京都在住の28歳。Webライターとしては主にYouTubeショート動画の台本制作、前職の経験を活かした金融系、自分の体験を活かしたエッセイなどのテーマ・ジャンルで記事を執筆している。当記事では彼の本名をアルファベットに置き換えて「Eさん」と記載していく。
まずはEさんに、現在のWebライター業を始めるきっかけを伺った。
「独立したのは2025年の夏頃ですね。当時は会社員でしたが、社内の人間関係が上手くいかなくて休職したり、生きづらさを感じていたことがあったんです。それと自分の体験を元に書いた有料note(300円)が1部売れたことがあり、文章を書くことに苦手意識も無かったので。きっかけ自体は軽いものですけど、チャレンジしやすい年齢のうちにと思って一念発起しました」
◆寄り道しつつも、フリーでの活動は順調だった
Eさんは独立後しばらく「クラウドワークス」「ランサーズ」といった業務アウトソーシング系のサービスを中心に活動。新人フリーランスの多くが経験することだが、この頃は仕事単価の低さや、案件を装ったスクール勧誘などに悩まされたという。
「そこから改善のきっかけになったのは、仕事で使っていたコワーキングスペースで、オフラインの人間関係を作れたことですね。このコワーキングスペースで作業するために、地元(静岡県)から引っ越してきたのですが、夜遅くまで作業している時に、たまたま相席していた経営者さんから『頑張ってますね!よかったらお話しませんか』って誘われたりして、そこから仕事の発注につながったことが何回かあります」
コワーキング以外でも、企業・メディア関係者の複数集まるセミナーや交流会に参加したり、「コンテンツ東京」のような大型BtoB展示会に自ら出展するなど、フリーランスが対人での周知機会を増やす方法は少なくない。ネットでの交流が当たり前になった今だからこそ、リアルでの語らいや懇親が大事なのだと感じさせる話だ。
地道な努力と前職から培った知見、そして人のつながりに支えられて、Eさんの収入は徐々に上昇。一時期は毎月約30万円の成果があるなど、フリーランスとしてかなり順調にステップアップしていたという。だが、そんな時期にEさんを襲ったのが「
生成AIショック」であった。