オートミールはエンバク(オート麦)を調理しやすく加工したシリアルのことで、食物繊維・ビタミン・ミネラルなどが豊富な上にカロリーも低いため、近年は健康食品として注目されています。新たな実験では、2日間にわたりオートミール中心の食生活を続けるとコレステロール値が改善し、その効果が数週間続くという結果が示されました。
Cholesterol-lowering effects of oats induced by microbially produced phenolic metabolites in metabolic syndrome: a randomized controlled trial | Nature Communications
https://www.nature.com/articles/s41467-026-68303-9

Two days of oatmeal reduce cholesterol level - University of Bonn
https://www.uni-bonn.de/en/news/017-2026
48-Hour Oatmeal Diet Could Cut Cholesterol Levels For Weeks, Study Shows : ScienceAlert
https://www.sciencealert.com/48-hour-oatmeal-diet-could-cut-cholesterol-levels-for-weeks-study-shows
ドイツ・ボン大学の研究チームは、オートミールが健康にもたらすメリットについて調べるため、メタボリックシンドロームを患っている男女32人を対象にした実験を行いました。
被験者のうち17人は、2日間にわたってほぼオートミールのみで構成される低カロリー食を摂取しました。これらの被験者は、1日あたり合計300gのオートミールを水煮したものに少量の果物や野菜を加えた食事のみを食べ、摂取カロリーは通常時の半分以下でした。なお、塩・砂糖・甘味料などの添加も禁止されていたとのことです。残る15人の被験者は対照群として、同じく2日間にわたって低カロリー食を摂取しましたが、こちらの食事にはオートミールが含まれていませんでした。

研究チームは、食生活を変える前の被験者から血液と便のサンプルを採取し、血圧・体重・身長・ウエストサイズ・体脂肪などを測定。さらに2日間にわたる食事変更の直後と、2週間後・4週間後・6週間後にも同様のサンプル採取と測定を行いました。
実験の結果、両方のグループが食生活の変化から恩恵を受けていましたが、その程度はオートミール食をとったグループの方が顕著でした。オートミール食のグループは総コレステロール値が8%減少し、LDL(悪玉)コレステロール値も10%減少しました。
論文の共著者で、ボン大学の栄養食品科学研究所の研究者であるマリー・クリスティーヌ・シモン氏は、「特に有害な悪玉コレステロール値は10%減少しました。これは現代の医薬品の効果に匹敵するほどではありませんが、大きな減少です。また、彼らは平均で体重が2kg減り、血圧もわずかに低下しました」と述べています。
さらに、研究チームが被験者から採取した血液や便サンプルを分析したところ、オートミールの摂取によって特定の腸内細菌が増加することも判明。これらの腸内細菌がオートミールを分解する際に放出するフェノール化合物は、コレステロール代謝にいい影響を与えることが示されているとのことです。
しかし、研究チームが「17人の被験者が6週間にわたり、その他の食事制限なしで1日80gのオートミールを食べ続ける」という2回目の臨床試験を実施したところ、いくつかの利点はあったもののコレステロール値の急減は確認されませんでした。

今回の研究はメタボリックシンドロームを患っている被験者を対象にしており、一般的な集団全員に当てはまるものではありません。しかし、食事療法が終了してから6週間が経過しても悪玉コレステロール値が実験開始前を下回っていたことから、研究チームはさらに調査する価値がある生物学的プロセスを見つけたと考えています。
シモン氏は、「次のステップとして、6週間ごとにオートミールベースの集中的な食事療法を繰り返すことが、実際に永続的な予防効果を持つかどうかを明らかにすることができます」と述べました。