生成AIのClaudeを展開するAnthropicが、別のAIチャットボットを利用するユーザーがClaudeに乗り換えるのに便利なアップデートを追加しました。
Anthropic upgrades Claude’s memory to attract AI switchers | The Verge
https://www.theverge.com/ai-artificial-intelligence/887885/anthropic-claude-memory-upgrades-importing
Free Claude users can now use memory and import context from rivals - 9to5Mac
https://9to5mac.com/2026/03/02/free-claude-users-can-now-use-memory-and-import-context-from-rivals/
2026年2月末、Anthropicはアメリカ国防総省から「Claudeに設けた安全措置を撤廃せよ」という圧力をかけられていたのですが、この要求を拒否し、「大規模な国内監視」と「完全自律型兵器」にClaudeを利用することは認められないと述べました。
これを受け、アメリカのドナルド・トランプ大統領はAnthropicを非難する声明を発表。ピート・ヘグゼス国防長官は同社をサプライチェーンリスクに指定すると発表しています。
トランプ大統領が「Anthropicの左翼狂信者がアメリカ軍の制御を試みた」と主張し関係断絶を指示、ヘグセス国防長官はAnthropicを「サプライチェーンリスク」に指定へ - GIGAZINE

Anthropicがアメリカ政府の要求を拒否したのに対して、OpenAIは国防総省とのAI利用契約に合意し、国防総省の機密ネットワークにおいて高度なAIシステムを展開することを発表しました。
OpenAIが国防総省とのAI利用契約について合意、Anthropicの交渉決裂直後に - GIGAZINE

これを受け、ソーシャルメディア上では「ChatGPTをキャンセルせよ」という意見が人気を集めるようになり、アメリカ政府にNO(ノー)を突きつけたAnthropicのClaudeが、App Storeのダウンロード数ランキングで1位に急上昇しました。
ClaudeがApp Storeのランキングで1位に浮上、ユーザーがAnthropicの政府との対立を支持か - GIGAZINE

Claudeのダウンロード数が急増していることを受けてか、Anthropicは別のAIチャットボットを利用しているユーザーがClaudeに乗り換えるのが容易になるような機能をリリースしました。
ひとつは、これまで有料で提供されてきた「メモリ機能」を無料プランのユーザーにも開放するというものです。Claudeのメモリ機能はユーザーとの過去の会話内容や設定、好みなどの情報を保存し、次回以降のやり取りに反映させる機能です。
Claude now has memory - YouTube
もうひとつは、他社製AIチャットボットからデータをインポートするための新しいプロンプトと専用ツールの追加です。AnthropicによるとClaudeへのデータのインポートはわずか1分未満で完了するとのこと。
Switch to Claude without starting over | Claude
https://claude.com/import-memory

この2つの機能の追加により、Claudeの無料ユーザーでも一からClaudeに自分の好みや背景情報を教え直すことなく、別のAIチャットボットに入力したコンテキストを即座にインポートできるようになります。
なお、Claudeのメモリ機能およびメモリインポート機能は「設定」内にある「機能」タブから利用可能です。

このアップデートについて、テクノロジーメディアのThe Vergeは「今回のアップデートは技術面だけでなく、AIの利用履歴という『個人化された資産』の移動を可能にするという点でも重要な動きと言えるでしょう」と報じています。