イタリア政府がクラウドストレージサービスを利用する際にかかる「クラウド税」を導入することを計画していることが明らかになりました。これが実現すれば、月に最大2.4ユーロ(約440円)が課税されることとなります。
Copia privata: arriva la 'tassa sul cloud'. Pagheremo anche per lo spazio online? | Hardware Upgrade
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イタリアの著作権法における、個人が合法的に入手した音楽や映像などを私的目的で複製することを許可するための制度が「私的複製補償金制度」です。イタリアではこの私的複製補償金制度により生じる経済的損失を補償するため、複製に使用される可能性のある機器や記録媒体の販売価格に「補償金」が上乗せされます。徴収された補償金はイタリアの著作権管理団体であるSIAEに送られ、同団体から著作権者に再分配されます。
イタリア政府はこの私的複製補償金制度をクラウドストレージにも拡大することを計画していることが、イタリアメディア・Corriere della Seraの報道により明らかになりました。報道によると、イタリアのアレッサンドロ・ジューリ文化大臣は私的複製補償制度の改正に関する施行令に署名しています。この改正案では私的複製補償制度の補償金に、初めてクラウドストレージが明示的に含まれることとなったそうです。

クラウド税の徴収額は、ユーザー1人につき1GB当たりの月額ベースで計算されます。1〜500GBまでは1GB当たり月額0.0003ユーロ(約0.055円)、500GBを超える分には1GB当たり月額0.0002ユーロ(約0.037円)が課されます。月のデータ使用量が1GB未満の場合は税金が免除され、ユーザー1人当たりのクラウド税の上限は月々2.40ユーロに設定されているそうです。
これにより、クラウドストレージユーザーは年間で最大28.8ユーロ(約5300円)の税金を課せられる可能性があることとなります。
このクラウド税をユーザーが直接支払うのか、それともサービス提供事業者が負担するのかは不明です。また、クラウドストレージで広く提供されている無料プランの場合、どのように扱われることになるのか明らかになっていません。
また、今回の改正には物理的な機器に課される補償金も改定されます。値上げ幅は保存容量に応じて異なり、従来と比較すると16.8〜40%の上昇となる予定です。補償金の上限額はデバイスによって異なり、PCの場合は1台当たり最大6ユーロ(約1100円)程度、スマートフォンの場合は1台当たり最大3〜10ユーロ(約550〜1850円)程度の増加が見込まれます。2TBを超える容量のHDDやSSDを利用している場合、補償金は30ユーロ(約5500円)を超える可能性があるとのことです。

Corriere della Seraは「多くの機器の最終販売価格と比較すると、単体での影響は限定的に見えますが、家庭や業務環境に存在する複数のデバイスや記録媒体を考慮すると、負担はより大きなものとなります。特に、すでにメモリ価格の上昇圧力が存在する状況下では、その影響は無視できません」と報じました。