韓国の国税庁が高額・常習滞納者から差し押さえた仮想通貨の大半を何者かに盗み取られていたことがわかりました。原因は、報道発表資料に掲載した写真に、ウォレットのマスターキーにあたるニーモニックコードが写っていたことでした。
[단독] 실적 홍보하려다…국세청, 64억 압류 코인 유출 - 매일경제
https://www.mk.co.kr/news/stock/11974731
국세청, 압류 코인 '마스터키' 사진 노출...가상자산 탈취 의혹-조세일보모바일
https://m.joseilbo.com/news/view.htm?newsid=563728
South Korea tax service reveals crypto wallet recovery phrase in press release, seized tokens moved in suspected breach: report | The Block
https://www.theblock.co/post/391578/south-korea-tax-service-reveals-crypto-wallet-recovery-phrase-report
韓国国税庁は2026年2月26日、高額滞納者や常習滞納者ら124人を対象にして家宅捜索を行い、大規模な差し押さえを行ったと発表しました。
問題が発生したのは滞納者C氏の事例です。国税庁はCEOはC氏宅から仮想通貨を保存するハードウェアウォレットとして使用されていたUSBメモリー4個を押収しました。ところが発表時、以下のようにUSBメモリーと一緒に保存されていたニーモニックコードの書かれたメモをモザイク処理などをせず、横に置いたままの写真を掲載してしまいました。

ニーモニックコードは鍵でいえばマスターキーに相当し、もしハードウェアウォレットを紛失・破損してしまってもコードがあればウォレットを復元することができます。
今回の事例では、国税庁が報道資料を公開した直後に何者かが「機会」に気づき、まずはウォレットに送金手数料として少額のイーサリアムを入金。その後、ウォレットに保存されていた400万PRTG(Pre-Retogeum)トークンを3度に分けて、別のウォレットへと送金したとのこと。国税庁は「81億ウォン(約8億6700万円)相当の仮想通貨を差し押さえた」と発表しましたが、そのうち64億ウォン(約6億9500億万円)が盗み出されました。
漢城大学教授でブロックチェーンデータ分析の専門家・趙在祐氏は「ニーモニックコードを報道資料に掲載したのは、財布を広げてお金を持っていくように広告したようなもの」と述べ、「当局の仮想通貨に対する基本的な理解不足が、数十億ウォンの国庫還収の機会を台無しにしました」と強く批判しています。
東国大学の黄錫鎮教授も当局の行動を「事実上『全部持っていけ』と放置したのと同じ」と述べた上で、「ニーモニックコードを写真に撮ったりクラウドなどに保管したりする行為は絶対にするべきではありません」と警告しています。
なお、韓国では2022年5月、ソウルの江南警察署で犯罪に関与した可能性がある物品として保管されていた22BTCと現金21億ウォン(約2億2600万円)が紛失する事件が発生。物品は任意で提出されていたもので、ビットコインの保管されていたUSBメモリー型のハードウェアウォレットは残されており、警察はビットコインが盗まれていることに4年間気付いていませんでした。この事件では情報通信網法違反の疑いで40代の男2人が逮捕されています。
'21억 비트코인 유출' 피의자 2명 체포...경찰 관리 허술 탓? / YTN 사이언스 - YouTube