衣装は彼女の私服だが、撮影しやすいコーディネートでくるあたり、相当、芸歴が長いのかと思った。だが、意外なことにデビューは2021年。
「そもそも芸能志望ではありませんでした。当時付き合っていたパートナーの方にこっぴどく振られて“自分って何なのだろう?”と自暴自棄になっていたときに、芸能事務所にスカウトされました」
中学の頃からサブカルチャーが大好きだった藤田さんは、その影響でエッセイをはじめとする表現の活動をしてみたいという気持ちが漠然とあったという。
また彼女が“神様”と呼ぶほど崇拝するトラウマテクノポップバンド「アーバンギャルド」が、アイドルに楽曲提供していたことから、「私も神様のつくった曲を歌いたい!」とアイドルにチャレンジすることにしたんだとか。
「神様から楽曲提供していただける予定があったわけではないのですが(苦笑)、アイドルというカテゴリーに属したら、もしかしたら彼らの曲が歌えるのかもしれないし、そのバンドさんが『鬱フェス』というフェスを主催していることもあり、憧れの方とご一緒できる可能性があるかもしれない。邪な気持ちでは一切なく、可能性がゼロではないなら、人生かけてアイドルしようと決めました」
事務所に所属した当時は54kgだった体重を、パーソナルジムに通って50kgまで減量。半年間、歌と演技とダンスのレッスンをしていたようだ。そして、満を持してデビューするわけだが、「正直、うまくいっていたとはいえませんね」と肩をおとす。
◆炎上も経験「当時はアンチとの戦いでした」
「アイドル業界はパチンコ屋みたいなものだなぁと感じました。外側から見ると、すごくキラキラしているんですよね。でも実際は、悲喜こもごもの世界でした。
歌って踊れて、メンバー全員がよーいどん!で麻雀を始めて女流雀士を目指すというコンセプトのグループだったんですが、麻雀は競技の世界なので、なにせ目の肥えている方が多かったもので……」
麻雀ガチ勢たちは未経験の子がキャピキャピと麻雀をすること自体をよく思わず、洗牌をした動画をXに載せた際には、「下手くそ!」と炎上したようだ。
「洗牌を教えてくれた人にも炎上が飛び火してしまい、申し訳ない気持ちでした。わたくしとしては、麻雀も真剣に頑張りたいという気持ちがありましたし、こんなひどいことを言われ続けなければいけないのかと……今でこそ、炎上ものりこなしていますが、当時はアンチとの戦いでしたね」
色々と大変なことがありつつも2022年12月に豊洲PITで行われた「インディーズアイドルチャンピオンシップ」という200組の地下アイドルが出場するコンテストで準グランプリに輝く。
「出場者には有名グループもいらっしゃる中で準グランプリをいただくことができて、これが人生のピークだな、と思いました」
ここから上がっていくだけかと思いきや、状況は徐々に変化していったという。
「決勝出場祝いとしてファンの方に還元する形で新衣装をいただいたのですが、その1ヶ月後のワンマンライブで“目標動員に達しなければ衣装を没収”という方針が打ち出されたんです。本来は応援へのお返しという位置づけだったはずなので、戸惑いの声もあったのではないかと感じました」