5月31日に国立競技場で壮行試合を行ない、そこからモンテレイに移動。現地でコンディションを整えながら、おそらく親善試合を1つ消化して、初戦の数日前にナッシュビル入りすることが見込まれる。
大会は現地6月11日に開幕し、F組の日本は14日にテキサス州のダラスでオランダ、20日にモンテレイでチュニジア、25日に欧州プレーオフ・パスB(ウクライナ/スウェーデン/ポーランド/アルバニア)の勝者とダラスで対戦する流れだ。
事前キャンプ地をモンテレイにした理由は、チュニジア戦、そして勝ち上がりによってはラウンド32で再び会場になりうるモンテレイで環境慣れしておくためだろう。
音楽の聖地としても知られるナッシュビルがベースキャンプ地に選ばれた理由としては、環境面の過ごしやすさが考えられる。MLSのナッシュビルSCが使用するトレーニング施設は2023年にオープンし、天然芝のサッカーフィールドが2面、人工芝が1面、クラブハウスはジム、プール、温冷浴、シアター付きミーティングルーム、メディカルルームなど充実している。
気候面も6月のナッシュビルは最低気温が18度、最高31度のようで、夏季のアメリカとしては日中を除けば、それほど暑くない。
一方のモンテレイは同時期の最低気温が22度、最高35度だが、第2戦に向けた事前の暑熱対策をしておきたい狙いがあるのだろう。初戦と第3戦の会場になるダラスもモンテレイと同様に暑いが、こちらの試合会場となる「ダラススタジアム」はアメリカン・フットボールNFLのダラス・カウボーイズが使用する開閉式ドームで、試合中は空調も整えられるはず。
たとえばナッシュビルからダラスに前々日の夜に移動すれば、公式練習は試合会場で行なえるので、試合前にダラスの野外で練習する必要はない。
昨年12月の視察段階ではダラスもベースキャンプ地の有力候補と想定され、森保監督も複数の施設を直に見て回った。ダラスならば移動の負担が最も少なく、2戦目のモンテレイとも環境が似ているというメリットがあったからだ。
当初はFIFAの指定する候補地が他国と被った場合、抽選会のポットが高い方に優先権が与えられることになっており、日本がそのリスクを避けたという見方もある。
しかし結局、同じくダラスで日本と初戦で対峙するオランダ、ダラスで2試合を予定するアルゼンチンもダラスではなく、ミズーリ州のカンザスシティをベースキャンプ地に選んだ。それらの国にとっても、環境面での暑さというのは、ダラスをベースキャンプ地に選ぶうえで、最大のネックと考えられたのだろう。ナッシュビルからダラスには飛行機で2時間ほどで、南西に移動する形になるが、時差はない。
日本代表は昨年9月のアメリカ遠征で、1試合目のオークランドから2試合目のコロンバスという西から東への横移動を経験したが、時差の有無は体感に少なからず影響する。その時は中2日の超過密日程だったが、本番ではベースキャンプ地との行き帰りが挟まる分、時差がないに越したことはないだろう。
会場までの移動もそうだが、試合後の疲れを取る意味で、いち早くホテルに戻って来られることも大きい。目立たないが、おそらく代表スタッフが重視したポイントの1つだろう。移動の負担だけを考えればダラスがベストだったが、それほど大きくない影響で抑えられると考えられる。
モンテレイとはほぼ2倍の距離で、時差は−1時間だが、移動のタイミングなどをうまく調整して、現地22時キックオフの試合に合わせていきたい。グループステージ突破後の活動は流動的だが、会場に合わせてラウンドごとに転戦していく可能性は高い。
最終的には決勝の地であるニュージャージーの「NYNJスタジアム」を目ざすことになるが、いかにオン・オフを過ごしていくかが選手のコンディションに大きく関わってくることは間違いない。
文●河治良幸
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