【担当者】 組合員の方からは、「水をはじくはずのはっ水生地なのに、水がしみてしまう」というお申し出をいただくことがあります。本日は、生地のはっ水や防水のお話をしたいと思います。
――はっ水や防水ですか。傘やレインコート、テーブルクロスにも使われていますね。
【担当者】 はっ水生地で作られている商品で、しばらく使っていると効果がなくなったという経験はありますか?
――ありますよ。はっ水効果のある靴だったのに、雨の日にしみこんできたという経験などがあります。新品のときには効果が高くても、時間とともに効果がなくなるといわれていますよね? あれはどうしてなのでしょうか?
【担当者】 そもそも、はっ水効果のある生地は、水をはじくようにコーティング加工を施したものです。このコーティングは永久に続くわけではなく、洗たくをしたり、使ったりしているうちに摩擦などで徐々に効果が薄れていくのです。
このコーティングは熱に弱いので、たとえば、はっ水効果のあるテーブルクロスに熱いお味噌汁をこぼしてしまうことで効果が弱くなってしまいます。
――なるほど。使いつづけることで、コーティングした効果がなくなっていく。だから、スプレーで再度コーティングをしてはっ水させるということなのですね。
【担当者】 はっ水加工した商品のラベルには、取り扱い時の注意点などが書かれていますので、十分に確認してご使用ください。
――はっ水と防水は異なるのですか?
【担当者】 はい。いままで話したのは、はっ水、つまり、水をはじくお話でした。
一方の防水は“水を通さないこと”を指しているため、はっ水生地とは異なる加工がされています。具体的には、生地の隙間にゴムや合成樹脂などを塗り込むことにより、物理的に水を通さなくしているのです。
――はっ水と防水、同じような意味で使いがちですが、じつは、まったく意味が異なるのですね。
【担当者】 ただ、防水スプレーといわれている商品にも、はっ水効果を得るための商品があり、じつは、あいまいなのです。
ちなみにですが、はっ水効果のある生地は、コーティングによって表面に非常に小さな突起がつけられています。この小さな突起のおかげで、表面張力によって水が直接生地に触れないため水がしみこまないのです。この仕組みのことを、「ハスの葉効果」といいます。
――ハスって、あの水面に浮かんでいる植物のハスのことですか?
【担当者】 はい、あのハスです。ハスの葉、要は、れんこんの葉っぱですよね。この葉は水をはじくのですが、葉の表面に非常に小さな凸凹があるだけでなくワックスもついていることから、水をはじいています。
そして、この効果を応用したものがはっ水加工にいかされているのです。米粒がつかないしゃもじなんかも、この原理の応用アイテムです。
――はっ水効果の原理は、ハスの葉からヒントをもらっていたのですね。勉強になりました。ありがとうございました。
※ラジオ関西『三上公也の朝は恋人』2025年2月17日放送分より