2024年夏に、日テレ・東京ヴェルディベレーザからマン
チェスター・シティに移籍。今シーズンはここまでリーグ戦12試合5得点2アシストを記録している。今月13日の第16節レスター・シティ戦(○6-0)でゴールを決めると、22日のFA女子カップ5回戦シェフィールド・ユナイテッド戦(○4-0)でもゴール。これで公式戦6ゴール目となった。
シティでは右サイドでプレー。シェフィールド・U戦では右サイドで起点となって味方のゴールを演出しただけではなく、サイド際から中盤に移ってゲームの組み立てに参加する場面も多かった。
「今シーズンになってからより内側でプレーすることが増えたことによって、ウイングと違って360度から相手が来るシチュエーションが増えたり、密集のなかでボールを受ける局面が増えた。そういう部分でもボールを受ける前に状況を把握して、より効果的な選択肢を選んでいくところは、自分がまだまだ高めていかなきゃいけないところ」
一方で、自身の持ち味であるゴールにはこだわりを垣間見せる。「やっぱり得点を積み重ねられる選手は、トラップしてシュートまでの時間が短い。どんな高さでボールを受けても、シュートが必ず選択肢の中にあるという選手だと思う」。元来のシュート力を生かすために、シュート前後の細部を詰める。「相手の隙を見逃さないところで言えば、常にシュートを打てるところにボールを置くことだったり、細かい部分だけど今取り組んでいるところ」と現状の工夫を打ち明けた。
なでしこジャ
パンでは左ウイングでのプレーが多い。ニルス・
ニールセン監督から求められていることは、カットインからの強烈な右足シュートだ。そのうえで注意する部分は“対アジア”。昨年1年間で対戦してきた欧米チームと異なり、女子アジア杯で戦うアジア諸国を「日本っぽい相手」と藤野は表現する。
「(欧米チームは)そもそものスタートラインとして、日本と比べても足も速いし、体も強いし、背が高い。もう見た感じ大人と子どもではないけど、それくらいの差がある相手だと、自分たちが求められることはいかにそういう一つひとつの小さい局面を切り取っても、相手1人に対して2人で対応して数的優位を作ったり、自分たちに無いものを持っている相手に対して対等に戦うためにどうしなきゃいけないかとやっていた」
「アジアで戦う相手は、日本と同じ体格だったり、1人ものすごく足が速いとか、そういうのはあまりない。日本らしいというか、しっかりフォーメーションで守って、スペースを埋めて、選手とつながりを持ってみんなで戦う印象が強い。そこが日本に近いというワードチョイスになった」
より緻密な間合いで攻守を作ってくる相手を、いかに打ち破るか。「間合いや距離感はたぶん意識してやってくる」。その局面で生きるのが藤野の強みだ。「1枚はがすところとか、状況を打開していくところは、自分がチームに還元できるところ。そういう部分でよりチームにアドバンテージをもたらせるような存在になれる大会にできたら」。磨き上げたその武器を、アジアの舞台で遺憾なく発揮するつもりだ。
(取材・文 石川祐介)