◆滞在中に国内観測史上1位の
大雪に襲われる
農産物など扱う専門商社の札幌支社に勤める原口友幸さん(仮名・38歳)は、仕事柄道内各地への出張が多く、ちょうど記録的なドカ雪に襲われた帯広に滞在。日曜日だった2月2日の夜に現地入りし、4日に札幌へ戻る予定となっていた。
だが4日は、JR・高速バスともにすべてストップ。高速道路や一般道も通行止めとなったため、レンタカーで戻ることも断念。延泊を余儀なくされていた。
「まあ、この週と翌週はほかに出張も入ってなく、デスクワークだけだったので会社に戻れなくてもそれほど支障はなかったです。もともと単身赴任で札幌に来ていましたし、延泊にかかる費用はもちろん会社持ち。こんな体験はなかなかできないため、個人的にはこの状況にちょっとワクワクしていました」
◆帯広駅で
中国人男性から話しかけられ…
5日には天気も回復してきたため、ホテルの部屋で行っていた仕事がひと段落するとホテル周辺を散策。宿は帯広駅の近くだったため、とりあえず駅に向かってみると、旅行者と思われるアジア系
外国人グループの1人から英語で話しかけられた。
聞けば5日の午前中の特急で札幌に行きたかったそうだが、まだ復旧しておらず列車は運休。どうやって移動すればいいか途方に暮れている様子だったという。
「話しかけてきた男性は
中国人。ただ、英語もそこまで得意ではなかったようで、途中からは翻訳アプリを介しての会話でした。ホテルを予約しているらしく、その日(2月5日)のうちに札幌に行きたかったそうですが、公共交通機関はほぼ全滅。道路は峠道も通行止めが解除され始めていましたが、国際免許は持っていないとのことだったのでレンタカーを借りることもできません。唯一、とかち帯広空港発着の飛行機は通常通りに戻っていましたが、調べるとその日はすでに満席。残念だけど今日中に札幌に行くのは難しいと伝えました」
◆
相談に乗ってあげた
中国人男性がブチ切れ…
ところが、当日中に帯広から出る交通手段がないと聞かされ、
中国人グループの別の男性が「なんとかしろ!」といきなり怒鳴ってきたとか。さすがにグループのほかの者たちがなだめていたが、なぜか原口さんに敵意を向けてきたそうだ。
「『急になんで?』とビックリしました。感謝こそされても、怒鳴られることなんてしていませんでしたから。とばっちりもいいところですよ」
さすがに彼の失礼な態度にイラッとした原口さん。表情には極力出さないようにしたが、自分も出張で帯広に来て会社に戻れずにいることを告げたうえで、「現状どうすることもできない。明日の運行再開に期待するしかない」と話した。問題の男性はそれ以上原口さんに直接何か言ってくることはなかったが、不服そうな表情で睨みつけていたそうだ。
「これ以上、自分が彼らのためにできることはないですし、『あとは駅の窓口や観光案内所のスタッフに
相談してほしい』と伝えて、彼らのもとから離れました。去り際、問題の男性がまたなにやら騒いでいたようでしたが、そのまま無視してホテルに戻りました。もし同じ宿で鉢合わせになったらどうしようと、少しビクビクしていましたけどね(笑)」
◆ありえない態度に怒り心頭
ちなみに札幌行きの列車の運行が再開されたのは2月6日で、原口さんは当日の最初の特急で戻ることに。ちなみに駅ホームにはあの
中国人グループの姿はなかったという。
「私も独身時代、海外旅行先で飛行機が欠航になって延泊したこともありますし、似たようなトラブルは経験しています。だから、微力ながら善意で
相談に乗ってあげていたのに、さすがにああいう態度はありえないですよ! 彼の仲間はお礼も言ってくれたし、代わりに謝ってもくれたので、彼だけが失礼な奴だったんでしょうけど」
イライラしている時、その感情を別の人間にぶつけることは絶対に避けるべき行為。それは日本人も
外国人も同じはず。こんな八つ当たりのような真似をするのは超レアケースだと思いたいが……。
<TEXT/トシタカマサ>
【トシタカマサ】
ビジネスや旅行、サブカルなど幅広いジャンルを扱うフリーライター。リサーチャーとしても活動しており、大好物は一般男女のスカッと話やトンデモエピソード。4年前から東京と地方の二拠点生活を満喫中。