今回は、そんなスポーツ栄養学の現場で培われた知見の中から、「一般の人でも今日から取り入れられるプロ級の食べ方」について教えてもらった。キーワードは、ベジファースト、朝たんぱく、コンビニ活用、そして、
ファストフードとの上手な付き合い方だ。
◆ベジファーストと食物繊維で「健康の土台を整える」
──たとえばアスリートに勧めている商品で、「一般の人にもそのままおすすめできるな」と感じるものはありますか。
吉谷佳代(以下吉谷):入手しやすい商品ですと、コンビニでも買えるヨーグルト飲料ですかね。「夜中のお菓子をやめましょう」というより、「ここで一回それに切り替えてみませんか」と提案すると、意外とすんなり話を聞いてくれるケースもあって。ざっくり言うと「腸内環境を整える」役割を持っています。腸って、栄養の吸収だけじゃなくて免疫にも深く関わっているので、腸内環境が乱れると不要なものがきちんと出ていかなかったり、必要な栄養がうまく吸収されなかったりするんです。
──プロ野球選手にとっては、どんなメリットがありますか。
吉谷:選手たちは、毎日ハードなトレーニングや試合で体に負担をかけていますし、遠征での移動も多いので、どうしても免疫力が落ちやすいんですね。そこで、腸内環境を整えることは、単なる栄養摂取以上の意味を持ちます。日々の“体調管理”の質を高め、「風邪をひきにくい体づくり」を強力にサポートしてくれます。うちの球団でも、インフルエンザ対策などの一環として取り入れてもらっています。
──一般の方が取り入れる場合、どんな飲み方がおすすめでしょうか。
吉谷:おすすめは、夕食時や夜ですね。夜は腸がよく動く時間帯なので、そのタイミングで乳酸菌を入れてあげると、翌朝のお通じがスムーズになりやすいです。風邪が流行り始める時期に、少し早めに飲み始めるのもいいと思います。もちろん、これだけ飲めば何とかなる、という魔法の飲み物ではないんですけどね(笑)。毎日の食事と組み合わせて、「免疫の土台を整える」ツールの一つとして考えてもらえるといいかなと。足りないものを少し足してあげるだけでも、体ってちゃんと応えてくれるんですよね。
──ほかに、仮に普通の会社員が簡単にマネできるような健康法はありますか?
吉谷:まずは「ベジファースト」と「食物繊維を意識すること」です。食事の最初に野菜や海藻、きのこ類から食べる。それだけで血糖値の上がり方がゆるやかになりますし、食物繊維がしっかり入るので、腸内環境にもプラスになります。
──忙しい社会人でも、無理なく続けられそうですね。
吉谷:コンビニでお弁当を買うなら、「まずサラダかカップみそ汁を一緒に買う」。そして、一口目はごはんやおかずではなく、野菜や具だくさんの汁物からにしてもらう。それだけでも、血糖値が「ドーンと上がって、ガクッと下がる」というジェットコースターみたいな動きを抑えやすくなります。結果的に、食後の眠気やだるさも軽くなりやすいですよ。
──野菜が苦手な人にも、なにか良い方法はありますか?
吉谷:無理にサラダを山盛り食べる必要はなくて、具だくさんの味噌汁から始めるのもおすすめです。大根、にんじん、玉ねぎ、きのこを入れるだけでも、かなり食物繊維を稼げますし、温かい汁物は満足感も出やすい。あとは、千切りキャベツやカット野菜をストックしておいて、「とりあえず毎食ひとつかみ足す」と決めるだけでも良いと思います。