◆精算ゲートでの足止め
スロープを降りた先は少し広くなっており、そこから1レーンの精算ゲートへ向かう構造だった。山内さんが直進し、後ろの車が広いスペースに出た瞬間、右側へ膨らみ強引に割り込んできたという。
「かなり危ない動きでした。ぶつからなかったのが不思議なくらいでしたね」
接触はなかったため、距離をとってその車の後ろについた。しかし、精算ゲート前で止まったまま、動かなかったそうだ。
「最初は、何かのトラブルかと思いました」
前方を見ると、相手は落ち着かない様子で車内を探っているようだった。その様子を見た姪が、「もしかして、駐車券ないんじゃないの?」と言ったのだ。
状況はそのとおりだった。しばらく経ってもゲートは開かず、後続車が次々と増えていく……。
やがて係員が呼ばれた。
「相手は周囲を気にしてオドオドしており、“先ほどまでの強気な様子”とはまったく違う態度でした。結局、駐車券が見つからなくて、紛失扱いになっていました」
割増料金を支払ってゲートが開くと、相手はすぐに去っていったという。
◆細い道の先ではじまった異変
佐々木麻衣さん(仮名・30代)は、夫と2人の子どもを乗せて車を走らせていた。目的地は、家族でよく訪れる近所のパン屋だった。
自宅から坂道を下った先にある交差点で、異変が起こる。そこは車1台がやっと通れるほどの細い道で、どちらかが譲らなければ通れない場所だ。
「向こうから来た車が、こちらの道に入りたそうにしていました」
相手は右ウインカーを出していたが、佐々木さんが進まなければ入れない。助手席の夫が、バックするようにハンドサインを送った。
「その車は、いったん下がってくれました」
しかし、佐々木さんが通り過ぎたあと進路を変え、“なぜか後ろに”ついてきたそうだ。
「偶然かと思っていました。でも、蛇行するような運転をしてきたんです」
不安を抱きながら運転していると、その車は佐々木さんを追い越して急停車した。