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「年寄りには家を貸したくないんだ」…52歳会社員に突きつけられた“…
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これに加え、2024年のマイナス金利解除以降、変動金利が上昇し始め、返済額が増加し続けることも懸念されます。
正博さんを家購入に突き動かした「高齢者は賃貸住宅を借りられなくなる」という不安には、一定の根拠があります。
国土交通省の「住宅セーフティネット制度の見直しについて 」によると、賃貸人の約7割が、高齢者の入居に対して拒否感を抱いているのが実情です。主な理由は、孤独死や残置物の処理、家賃滞納への不安です。
しかし、国もこの状況を放置しているわけではありません。2025年施行の改正「住宅セーフティネット法」 では、高齢者などの入居を拒まない住宅の登録制度を強化し、入居後の見守り支援を行う仕組みが拡充されました。
「家を借りられないから買う」という選択が、実は「老後の資金をすべて家に投じてしまう」という別のリスクを招いている可能性を、冷静に見極める必要があります。
正博さんのように、年金生活を目前にしてローンの重圧に直面した場合、どのような解決策があるのでしょうか。ここでは、考えられる方法を整理します。
もっとも根本的な解決策は、今の家を売却し、身の丈に合った住まいに移ることです。
・メリット: ローンを完済し、固定資産税や修繕費の負担から解放され、売却益が出れば老後資金に充てられる。・デメリット:希望の条件で売れるとは限らない。「高齢者は借りられない」という不安に対しては、前述の住宅セーフティネット法の活用やUR賃貸住宅のような高齢者が借りやすい物件を探すのが現実的です。
「今の家に住み続けたいが、毎月の返済額を減らしたい」という正博さん夫婦にとって、有力な候補となるのがリバースモーゲージです。リバースモーゲージとは、自宅を担保に融資を受ける住宅ローンの一種です。
通常の住宅ローンと違い、毎月の支払いは利息のみで、元金の返済は契約者が亡くなった後に自宅を売却して充てる仕組みです。自宅に住み続けながら、月々の返済負担を大幅に軽減できますが、以下のような注意点があります。
・担保評価額の制限:融資額は自宅の評価額の50〜70%程度で、評価額が低い物件では十分な資金を得られない可能性がある・長生きリスク: 融資限度額に達すると、存命中に融資が止まる可能性がある
・金利上昇リスク: 変動金利が一般的で、金利が上がれば毎月の利息支払額が増える
・不動産価格の下落リスク: 土地の価値が下がると、融資限度額が引き下げられることがある・相続への影響:相続人が自宅を残したい場合は、一括返済する資金を用意する必要がある
正博さんの場合、まずは現在の自宅の査定額を確認し、ローン残債を完済できるかの見込みを立てましょう。そのうえで、リバースモーゲージが利用可能か、あるいは賃貸に切り替えたほうが生涯の収支が安定するかをシミュレーションする必要があります。
いずれにしても住宅ローンの老後の返済に不安がある場合、早めに専門家に相談し、自分たちに合った解決策を見つけることが重要です。
松田聡子CFP®