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【大掃除】「カビはゴシゴシ洗ってはダメ!」“壁紙の裏” “詰め込…
RSK山陽放送
──住宅では、どんなところに気を付けたらよいでしょうか。(東洋産業 大野竜徳さん)「一般家庭で起きているカビの被害は、必ずしも派手ではありません。・壁紙が少し浮いている・部屋に入ったときになんとなくカビ臭い・クローゼットの服が湿っぽい気がする…引っ越してきたときにはなかった、長い時間をかけて少しずつ変化してきたのせいかもしれない違和感の正体が、「実はカビだった」というケースは少なくありません。特に多いのが、『壁紙の裏側』です。冬場は外気と室内の温度差で、壁の内部に結露が起きやすくなります。結露の水分と壁紙の糊を栄養に、カビは少しずつ進行していきます」
「糊はカビによって分解され、表面はきれいに見えていても、裏側では湿気がこもり、カビにとっては理想的な住環境が完成します。その結果、最後に壁紙がはがれ、浮いてくるのです。家具を長年動かしていない場合や、壁紙の継ぎ目、端、その裏側は要注意です。久しぶりに動かしてみたら、壁にうっすらと黒ずみが広がっていた、というのは現場でもよくある話です」
──カビの生えやすい場所はありますか?(東洋産業 大野竜徳さん)「窓まわりも分かりやすいですね。結露が当たり前になっているご家庭では、サッシやゴムパッキンに黒い汚れが出やすくなります。毎朝拭いているつもりでも、角や溝に残った水分はなかなか手強く、気づけばカビの温床になっています。金属サッシのご家庭も多いですが、金属の表面にも、しっかりカビは付着します」
──この時期、結露がカビの原因にもなりそうですね。(東洋産業 大野竜徳さん)「見落とされがちなのが、加湿器です。乾燥対策のつもりで使っている加湿器が、実は室内にカビをばらまく装置になっていることがあります。『タンクのぬめり』や『吹き出し口の汚れ』を放置したまま使い続けると、『カビを含んだミスト』を部屋中に拡散してしまいます。つけ始めに、わずかに臭いミストが出る場合もありますが、私たちの鼻はにおいに慣れてしまい、使っている間に気が付くことはほとんどありません。潤いと一緒にカビもプレゼント。加湿器をつけると、なんだか咳が出る、鼻が詰まる、というのは笑えない話です」
──大掃除で普段見ない場所もチェックしたいですね。(東洋産業 大野竜徳さん)「キッチンや洗面台の下も、カビにとっては人気物件です。配管まわりは温度変化と湿気が集中しやすく、収納している物が多いほど空気が動かなくなります。掃除をしているつもりでも、物を出さない限り、実際にはカビの様子を確認できていないことも多いのです。チェックする際には物をすべて出し、引き出しを外し、簡単に外れるようであれば、底に敷いてある化粧板も外してみましょう」
「リビングや寝室は比較的安全そうに見えますが、ここにも落とし穴があります。カーテンの裾、ベッドやソファの下、観葉植物の鉢の周囲など、湿気がたまりやすく、掃除が後回しになりやすい場所は、カビが静かに定着しやすいポイントです」
──エアコンも心配ですね。(東洋産業 大野竜徳さん)「そうそう、冬に暖房で使うエアコンも忘れてはいけません。冬は暖房運転で内部の温度が上がり、乾燥しやすいため、エアコン内部でカビは繁殖しづらい環境になりますが、夏にため込んだホコリなどはしっかり掃除しておきましょう。吹き出し口の汚れは、カビである場合が多いです。フィルターの掃除や吹き出し口の消毒など、メンテナンスはお忘れなく」
──年末の大掃除のカビ掃除、どう向き合えばいいのでしょうか。(東洋産業 大野竜徳さん)「大切なのは、力任せにこすり落とすことではありません。カビ対策の基本は『湿気を断つ』ことです。見えているカビを落とすのはもちろんですが、それ以上に重要なのは、これ以上増やさない環境をつくることです」
──カビを落とすとき、効果的な方法はありますか?(東洋産業 大野竜徳さん)「カビが見えている場合は、アルコール製剤(手指の消毒に使っているもので十分です)や、市販のカビ取り剤を使って除去します。このとき、乾いた雑巾やメラミンスポンジなどでゴシゴシこするのは避けてください。胞子を空中にまき散らす結果になり、別の場所に引っ越し先を用意してしまうだけです」
「さらに、ゴシゴシ洗いは、カビが生えている部分に細かい傷をたくさんつけてしまい、かえってカビの根を広げてしまう原因にもなります。必ず換気をし、マスクと手袋を着けて、拭き取るように作業するのが基本です。カビは死んでも色が残ってしまうため、見た目が気になりますが、気になる場合は漂白剤できれいにできればよいでしょう。このときは説明書をよく読み、使う前に目立たないところで試すなど、漂白剤による変色や変質には十分注意してください」
──カビは見えないけれど、臭いがすることがありますね。(東洋産業 大野竜徳さん)「カビが見えない場合は、私たちの体がカビを感知するセンサーになります。なんだかカビ臭い、なんだか空気が湿っている、昔はこんな感じじゃなかった。そういった違和感は、カビのサインを感知できているのかもしれません。そのような場所では、掃除と同時に環境を見直しましょう。クローゼットや押し入れは中身を一度出して風を通し、詰め込みすぎていないかを確認します」「キッチン下は物を減らし、床から浮かせる工夫をするだけでも、湿気のたまり方が変わります。このときに役立つのが、扇風機やハンディファンです。夏に大活躍した扇風機やハンディファンで、風通しの悪い場所に空気を送り、乾燥を促して、カビ臭いにおいを飛ばしてしまいましょう」
──カビの原因になることもある加湿器は、念入りに手入れしたいですね。(東洋産業 大野竜徳さん)「これから活躍する加湿器は、できるだけ分解して洗浄し、一度しっかり乾燥させましょう。ぬめり汚れをしっかり落としてから漂白剤につけると効果的です。特に吹き出し口周辺、水のタンク、水をためている振動子周辺は要注意です。洗浄後は、必ずしっかり乾燥させてください。掃除をさぼった加湿器は、カビのガーデニング状態になっている可能性があります」
──大掃除のときは強力な洗剤などを使うこともありますから、気をつけたいですね。(東洋産業 大野竜徳さん)「掃除の際に準備しておきたいのは、特別な道具よりも安全対策です。ゴム手袋とマスクは必須ですし、換気できる環境を整えてから作業を始めることが大切です。大掃除では汚れに合わせて洗剤を準備しますが、カビ取り剤や漂白剤を使う場合、複数の洗剤を併用しないことは非常に重要なポイントです」
「そう、まぜるな危険ですね。風通しを良くして使用するのは当然ですが、ここだけは絶対に守ってください。掃除に熱中しすぎて気づかずバタン、ダウン、年末に救急搬送、という事態は誰も望んでいません。体調がすぐれないときは、特に異常を察知する力も落ちていますので、くれぐれも注意しましょう」
「大掃除でやるべきことは明確です。カビにとって、居心地の悪い家をつくること。まずは今いるカビを退治して、そこに新たなカビがお引越ししてきづらい環境をつくること。カビにとって居心地がいいのは、汚れがあり、風通しが悪く、湿った(濡れた)環境。カビが生える条件はいくつもありますが、大掃除のときには、家の中でこの二つを想像してみてください」
「これがそろう場所に、きっとカビはいますし、また生えてきます。カビはゆっくり進行していくため、『昔はこんなににおいや汚れ、傷みはなかった』という変化に気付けるかどうかもポイントです。それに気付き、対策ができれば、カビにとって居心地の悪い、私たちにとって快適な家になるでしょう」