4〜9月の既存店売上高は前年同期比1%増となるなど、各種業績データをみても前年並みに戻っているが、あれほど大きく世間を騒がせたにもかかわらず、なぜ早くも復活を遂げることができたのか。その要因を運営元に取材した。
◆「珍しくない」大手
外食チェーンの異物混入
大手
外食チェーンで異物混入が発生するのは珍しいことではない。2015年に商品への人の歯やプラスチック片の混入などが相次いで起きたマクドナルドでは、22年には「マックフライポテト」に人の爪とみられるものが、23年にはハンバーガーにゴキブリが、同年には「グラコロ」に虫が混入するという事例が発生。
すかいらーくグループの「ガスト」は、22年にポテトフライに異物が混入していたと公表。23年にはイタリアンレストランチェーン「サイゼリヤ」のサラダにカエルが、うどんチェーン「丸亀製麺」の「丸亀シェイクうどん」に同じくカエルが混入。
そして今年だけでも、ファミレスチェーン「ジョイフル」のピザに使われたベビーリーフへのカタツムリ混入、ラーメンチェーン「来来亭」のラーメンへの虫混入、「
すき家」を運営するゼンショーホールディングス(HD)の「はま寿司」での吸水シート混入、「ミスタードーナツ」のドーナツへの金属製の混入などが発生している。
◆完全になくすのは難しい
ちなみにサイゼリヤは問題が起きたサラダに使用されていたカット野菜について、玉の状態で納入したレタスから工場で従業員が目視で異物を除去し、洗浄して店舗に搬送したものだと説明。再発防止策として葉を1枚ずつ剥がして裏表を確実に点検するとしていた。飲食店の経営支援を手掛けるコンサルタントはいう。
「大手チェーンでは野菜に付着する虫について、目視チェックと洗浄の過程で取り除いて各店舗に送るという流れが多いが、その段階で非常に小さい虫が残ったままになり、忙しい店舗の厨房で細かくチェックされずに、大きく成長した虫が入った状態で顧客に提供されてしまうということは起こりえる。また、飲食店は客の出入口や原材料の搬送口などを通じて屋外と店舗内が空間的につながっているため、外から虫や異物が入り込むことを完全に防ぐことはできないため、異物混入をなくすのは難しいのが現実」(飲食コンサルタント、以下同)
例えばマクドナルドは国内に3000店舗以上を展開し、同社の公式サイトによれば30分の間に600個ものハンバーガーをつくる店舗もあり、一日の全店売上高が20億円を超えることもある。一チェーンだけでそれだけ大量の商品を毎日、顧客に提供していることから、一定の確率で異物混入が生じてしまうのは避けられないともいえる。
◆迅速な対応が功を奏し、騒動前の水準に
すき家のネズミ混入では、運営元は1月に問題の発生を把握していたにもかかわらず公表まで約2カ月かかったことに批判的な意見も寄せられたが、公表後の対応は迅速だった。
国内のほぼ全店舗を清掃のために4日間にわたり一時休業とし、害虫などの侵入経路の根絶が難しいと判断した店舗の改装、害虫などの誘引を防止するために廃棄物を保管する各店舗のゴミ庫の冷蔵化、定期的な害虫の発生状況の確認検査、駆除専門事業者による駆除施工などを実施。さらには、ウリだった24時間営業を廃止して毎日午前3時から4時までの1時間を清掃業務にあてる運用への変更も行った。