アンミカと高市首相は似たところがある――強烈なキャラを演じるエネルギー|ドラマ『もしがく』9話
アンミカと高市首相は似たところがある――強烈なキャラを演じるエネルギー|ドラマ『もしがく』9話
-
◆“ほどほどがいい”時代に、とことん頑張る!
アンミカは高市首相を支持しているわけではないようだが、「働いて働いて働いて――」の高市首相と、「HLLSPD」(「ハッピーラッキーラブスマイルピースドリーム」)を唱えるアンミカではベクトルが違うが、大きくニッカーと口を開いた笑顔から受ける強烈なエネルギーの質量が似ているような気がするのだ。
そんなふたりを強く信奉する人もいれば、ついていけないと目を背ける人もいる。肯定するにしても否定するにしてもそこには熱狂が伴う。
頑張りすぎない、ほどほどでいい、自分らしくていい、というふわっとした考え方が好まれる時代に、出る杭は打たれるを体現し続けるアンミカ。彼女にはなぜか過剰な反応がついてまわる。発言が炎上しがちなのはそれだけ注目されているからだろう。
◆アンミカの徹底したポジティブシンキング
アンミカが一般に広く認知されるようになった理由は、賛否両論ある彼女の「ポジティブシンキング」である。それも根拠なきポジティブではなく、徹底的に考え抜いて、実践し、妥協を許さないやり方だった。
パリコレモデルだったことを生かした、『林修の日曜の初耳学』(TBS系)のなかのワンコーナー「アンミカ先生が教えるパリコレ学」は2019年の放送だったからギリ許されたのだろうか。今ならハラスメント認定されそうな、否定、否定。否定で、容赦がなく、それに耐え、あるいはあらかじめアンミカのチェックをすべてクリアーできるように入念な準備をした奇特な人だけが栄光を手にする。
放送当時は楽しんで見ている人も少なくなかったし、関西弁で意識高いアンミカというキャラが全国区に周知された代表作である。
アンミカの自信が根拠のないふんわりしたものであったなら、より容易に絶大に支持されたかもしれない。とことんやりぬくガッツが、誰もがそんなにできないよ――とアンミカから距離をとらせる。
◆『もしがく』ではパワフルなストリッパー役
モデルやコメンテーターのイメージの強いアンミカだが俳優もやっている。あの強烈なキャラでは様々な役を演じるというよりは、そのキャラを生かした役をオファーされるという印象である。
『もしがく』こと『もしも世界が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう』(フジテレビ系、水曜夜10時〜)はまさにそれ。とうの立った(言い方)場末のダンサーで性格はきつめ、何事にもめげないパトラ鈴木をアンミカは演じている。パトラは腰に爆弾を抱えながらも厚化粧して舞台に立ち続けている。
女を捨てず(言い方)前向きに生きるパトラは年下の劇場の用心棒・トニー(市原隼人)とつきあっている。目下、このドラマで最も評価の高い、おいしい役を演じている市原隼人と、アンミカが恋人役という皮肉なカップリングは狙いなのか偶然なのか。市原隼人が見たくてドラマを見ると、漏れなくアンミカとの2ショットがついてくる。しかも熱烈なシーンが。
◆アンミカ×市原隼人の回だった
『もしがく』第9話はトニーとパトラの回だった。どん詰まりで用心棒というような暴力にものを言わせるような仕事しかないトニーだったが、劇場がストリップではなくシェイクスピア劇をやることになったとき、たまたま役者を手伝うことになる。真面目な性分で、やりはじめたら徹底的に稽古をして臨むため、演出家のクベ(菅田将暉)を驚かせるほど演技が上達する。
だが、9話では、劇場のオーナー(シルビア・グラブ)のかなり危険なブツ(昆布茶ババロア)の取引にしぶしぶ行くはめに。そのせいで警察に追われることになる。劇場関係者とバレたら公演に迷惑がかかるので、パトラにつきまとう人物という体(てい)にする。パトラは「この変態 顔も見たくないわ」とトニーの頬をピシャリと叩く。アンミカも市原隼人も迫真の悲しみに満ちた顔をしながら別れ別れに……。
-
© livedoor
