AGI(汎用人工知能)の達成に向けた競争が、データセンターへの
投資と建設を急激に加速させており、そのペースは部品の製造能力をはるかに超えています。AI関連の需要に追いつくための苦戦は
ストレージ不足にも現れており、HDDの納期が2年以上の遅れを見せていると報じられています。
Hard drives on backorder for two years as AI data centers trigger HDD shortage - delays forcing rapid transition to QLC
SSDs | Tom's Hardware
https://www.tomshardware.com/pc-components/hdds/ai-triggers-hard-drive-shortage-amidst-dram-squeeze-enterprise-hard-drives-on-backorder-by-2-years-as-hyperscalers-switch-to-qlc-ssds
AIデータセンターによる需要が急増したことで、DRAM(メモリ)不足が問題となっています。これは
半導体メーカーがDD
R4の生産を縮小してDDR5とHBMに注力する傾向にあるためといわれており、実際にメモリの相場は2025年初頭と比較して2倍以上の価格に高騰していることが報じられています。
DRAMの価格が2025年5月からわずか1カ月で2倍に上昇し高止まり、中国のCXMTがDD
R4の生産を停止しDDR5とHBMに注力するのではないかという憶測 - GIGAZINE

テック系
メディアのDigiTimesによると、
ストレージも同様に打撃を受けており、エンタープライズグレードのHDD(ハードディスク
ドライブ)の納期が2年間遅延していると伝えられています。
AI関連の
投資は待ったなしの状況であるため、大規模データセンター事業者はこのHDDのバックオーダーを回避する目的で、容量辺りのコストがより安価なQLC NANDを採用した
SSDへの切り替えを急速に進めています。TLCの代わりにQLCを選択することで、コールド
ストレージ用途として十分な耐久性を確保しつつ、コストを維持できるためです。
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しかし、比較的低価格な
SSDの多くもまたQLCを使用しているため、世界規模でQLC NANDを採用した
SSDの価格上昇が引き起こされる可能性は高いといえます。DigiTimesは、一部の
半導体メーカーにおいて、QLCの生産ラインが2026年まで完全に予約で埋まっていると報じました。この状況下で、QLC NANDは2027年初頭までにTLCを抜いて主流になる可能性があり、
ストレージ市場における大きな転換点になると予想されています。
ハードウェア関連ニュースサイトのTom's Hardwareは「メモリと
ストレージにおける、こうした前例のない不足はほとんど予見されていませんでした。世界のAI開発に対する熱意を考えれば価格高騰そのものは驚くほどではありませんが、一夜にしての急激な変化は予測されていませんでした。2025年10月、
半導体メーカー・ADATAのサイモン・チェンCEOは『時間とともに状況は悪化するだけだ』と示唆していましたが、その見通しがわずか数週間で現実のものとなりました」とコメントしています。
記事作成時点で、すべてのDRAMおよびNANDメーカーはわずか数週間分の在庫を残し、あとはすべてAIデータセンター関連の顧客への販売を優先しているとのこと。Tom's Hardwareは「この戦略は、多くの企業に今年最高の業績をもたらしています。しかし、いつものように、そのしわ寄せは一般消費者に及び、私たちはまたしても電化製品の供給不足に巻き込まれるのです」と述べました。