MX MASTER 4は2022年6月に発売した「MX MASTER 3S」の後継機だが、MX MASTER 3Sのハードウェアは2019年9月発売の「MX MASTER 3」からほぼ踏襲しており、実質的に約6年ぶりの刷新となる。メーカーから実機を借りられたので、簡単に使用感をご紹介したい。

MX MASTER 4。手になじむエルゴデザインと曲面が魅力的
関連記事:ロジクール、触覚フィードバックを搭載した新フラッグシップマウス「MX MASTER 4」
MX MASTER 4の新機能は? 主な特徴をチェック
MX MASTER 4の主な新機能・特徴はこちら。
親指エリアの触覚フィードバック
新しい操作機構「Actions Ring」
静音クリックボタン
表面素材の改善
サムホイールが従来より突き出た位置へ
USB-C接続のLogi Boltレシーバー
ジェスチャーボタンの位置を改善
一方、前
モデルから大きな変化がない部分は下記となる。
人間工学に基づいたエルゴデザイン
MagSpeed 電磁気スクロールホイールを継承
バッテリー駆動時間はフル充電で最長70日
重さは約150g(MX MASTER 3Sは約141g)
200〜8,000dpiの解像度
価格が21,890円(MX MASTER 3S発売時は14,960円)

パッケージを開けたところ。緩衝材含めすべて紙で梱包されている。
USB-Cレシーバーは本体に内蔵するスペースがなく、パッケージ下部に配置されている

手を置いたところ。本体が大きめ、重めのため“つまみ持ち”は向かず“かぶせ持ち”で使うことになる
Actions Ringと触覚フィードバックは価値ある新機能
MX MASTER 4に限らず、ロジクールのフラッグシップ機「MX」シリーズは、ソフトウェア開発やクリエイターなど、キーボードやマウスを
ヘビーに使うユーザーを想定している。今回のMX MASTER 4も例にもれず、複数のソフトや
アプリを駆使して複雑な操作をするユーザーに向け、“いかに作業を効率化するか”という観点から開発された。
そんな流れで搭載された新機能が「触覚フィードバック センスパネル」と「Actions Ring」機能だ。
「触覚フィードバック センスパネル」は親指ボタンの一部エリアに配置された振動パネル。このパネルを押すと、標準では同社製のユーティリティソフト「Logi Options+」に加わった新機能「Actions Ring」が起動する。

親指エリアだけ別パネル。丸いマークが付いている場所を押すと、標準設定ではActions Ringが起動する

Actions Ringをテキストエディタ「秀丸」上で起動してみたところ
Actions Ringが起動すると、画面上で8つのバブル(アイコン)がリング状にオーバーレイ表示され、各アイコンにカーソルを合わせてクリックすると設定した動作を実行できる。アイコンには
アプリや
ショートカットのほか、Logi Options+を使ったマクロなどを自由に設定できる。1つのアイコンごとに最大9つの操作を設定でき、合計で最大72の操作を、(マウスを大きく動かさずとも)Actions Ring上で実行できることになる。
このActions Ringにカーソルを合わせたり、動作を実行したりすると、「触覚フィードバック センスパネル」が振動し、操作状況をユーザーにフィードバックする。画面を注視しなくても感覚で作業状況がわかることがメリットだ。ロジクールの社内検証によればActions Ringにより、マウスの移動量を通常から最大63%、作業時間を最大33%削減できるとうたう。
実際にActions Ringと触覚フィードバックを使ってみたところ、
なるほど確かに細かいマウスの動作が不要になり、操作のたびに親指に返る微振動が心地よかった。
試用では音声入力(Win+H)やダウンロードフォルダへのアクセス、スリープ(マクロ登録)などをバブルに配置し、親指クリックで起動、各機能へアクセスしている。
これまで、例えばダウンロードフォルダの起動は、?マウスをタスクバーへ移動させ、?エクスプローラーを起動、?ダウンロードフォルダにアクセス、といった手順を踏んでいたので、各段に
便利になった。こういった
ショートカットツールはフリーソフトなどでも出ているが、特にマクロが登録できると活用の幅が広がるように思う。なお、Actions RingはLogi Options+の新機能となるため、キーボードの空いているキーなどに割り当てることも可能だ。

Logi Options+で開いたActions Ringの設定画面。バブルにどんな機能を割り当てるか細かく設定できる。
Adobe Photoshopなど一部の
アプリでは専用操作も割り当て可能

Actions RingはLogi Options+の新機能となるため、キーボードにも設定できる
ちなみにこの振動(触覚フィードバック)の設計は「どの作業にどんな振動を返すか」「振動を受け取ったユーザーはどんな気持ちになるか」などを、開発時に深く検討したという。振動は
言語化して社内で共有し、約20種類の振動を開発したとのこと。触覚フィードバックはLogi Options+でオンオフを設定できるが、マウス本体のバッテリー残量が10%を切るとバッテリー節約モードが自動でオンとなり、触覚フィードバック機能もオフとなる。

開発時には触覚フィードバックの振動を
言語化して検討

約20種類の異なる振動を開発
新しくなった“
USB-C”レシーバーが地味にうれしい
同梱する独自接続の「Logi Bolt」レシーバーは
USB-C接続。これまでMXシリーズのLogi Boltレシーバーは
USB-A接続だったが、本機を皮切りに
USB-C接続へと変更される。
もちろん従来の
USB-Aレシーバーでもつなげられるが、MX MASTER 4本体のICチップを改良しアンテナ位置を変更したことで、
USB-C接続のLogi Boltレシーバーと組み合わせると、前
モデルから約2倍の接続性が確保されたという。
いま販売されているPCの多くは
USB-Cポートを複数備えており、
USB-Aポートがややレガシーな存在になりつつあるため、接続の安定性も含め、
USB-C対応はうれしい進化ポイントだ。

より接続時の安定性が増した
USB-Cレシーバーを同梱。奥にあるのは
USB-A接続のレシーバー

本体裏面。Easy Switchが装備されている

クリックボタンは標準で静音仕様。透明な素材に覆われたデザインは
見た目もよい




本体の前面・後面・左右側面。表面素材はこれまでと異なりサラッとした手触りになっている。長期間使った際にベタつかなくなる
個人的に1つ気になった点がマウスの重さだ。筆者は普段ロジクールのM650 Signatureを使っているが、その重さは101.4g。MX MASTER 4は約150g、かつサイズも大きい。カーソルを大きく移動させるような使い方には向いておらず、特に軽いマウスを使っていた人や手が小さい人には、やや重く動かしにくく感じるだろう。マウス本体を手で大きく動かすより、デスクに手首を押し付けマウスを振るような動かし方がおすすめだ。
MX MASTER 4は複数のツールを扱うユーザーや、大型ディスプレイ環境で作業するユーザー(マウスの移動量が多い人)などが特に効率的に活用できそうだ。気になった方はサイズ感を確かめる意味でも、一度
家電量販店などで実機を触ってみるとよいだろう。