この日も、私は周りの
ママ友と普段通りに談笑していました。話題は近所のスーパーの品ぞろえや価格のことなど、ごく日常的なもの。
茜「駅前のスーパー、最近野菜が安いんだよ。助かるよね」
私は特に深い考えもなく、そう口にしました。すると、すかさず美香さんが反応を示したのです。
美香「あら~、そういうの気にするんだ?うちはあんまりスーパーには行かないから分からないのよね。ほら、都内だと
デパ地下で全部そろうから」
あくまでにこやかに言われただけなのに、胸の奥にはまたしても小さな棘が刺さるような感覚がしました。周りのママたちは曖昧に笑って受け流していたけれど、私は顔が赤くなるのを自覚していました。まるで「庶民的だね」と言われたみたいで、居心地の悪さがじわりと広がりました。
手作り弁当に向けられる視線
それ以降、ママたちとの会話にはあまり集中ができないまま、お昼の時間を迎えました。
私は朝からせっせと作った唐揚げや卵焼きを詰めた、いつもの手作り弁当を子どもに渡しました。子どもはうれしそうにふたを開け、「ママの卵焼き大好き!」ととびきりの笑顔を見せてくれました。その姿に、胸の奥にかかった霧が少し晴れるような気分がしました。
しかしふと隣を見ると、美香さんが取り出したのは、彩り豊かなデリ風のランチボックスでした。小さな仕切りごとに洒落た総菜が並び、野菜も肉も華やかに盛り付けられていました。
美香「これ、デパ地下で買ったの。やっぱり見栄えが違うでしょ?ほら、子どもも喜ぶし、時間も節約できるし」
そう言いながら、周囲に見せるように弁当を広げる姿が、なぜか鼻にかかりました。もちろん彼女のやり方を否定するつもりはありません。けれど、やはり隣にいる私の弁当を見くだされたような気がして、私は箸を持つ手が少しだけ強張るのを感じました。
その瞬間、私ははっきりと悟りました。―――彼女の何気ない言葉や仕草は、やっぱり単なる「違和感」ではない。無自覚なのかもしれないけれど、そこにはいつも「都会」と「郊外」を比べる軸が潜んでいる。
周りのママ友たちが見せる苦笑いも、その証拠のように思えました。娘の笑顔を前にしながらも、私の胸の奥ではざらついた感情が消えませんでした。
あとがき:比べられる「都会」と「郊外」
ママ友との何気ない会話の中のほんのひと言に胸がざわつくことは、誰もが経験することかもしれません。違和感が確信に変わった今、茜はどのようにして美香と向き合っていくのでしょうか。日常の些細なできごとから気づく、ママライフの一場面でした。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています
記事作成: _x_rk_
(配信元: ママリ)