近年は
スマートフォンなどから簡単にオンラインの性的コンテンツにアクセス可能であるため、若い女性は以前よりも早い時期から、頻繁に
ポルノに接するようになりました。新たな研究では、
ポルノに対して肯定的な態度を持っている若い女性は、性的な満足度や自身のセクシュアリティについての安心感が高いという傾向が明らかになっています。
Full article: Attitudes Towards Pornography and Sexual Well-Being Among Young Women in the UK
https://www.tandfonline.com/doi/full/10.1080/0092623X.2025.2559005

Positive porn attitudes linked to better sexual well-being in young women
https://www.psypost.org/positive-porn-attitudes-linked-to-better-sexual-well-being-in-young-women/
若い女性が以前よりも頻繁に
ポルノに接するようになったという社会的変化は、性的な探求についての受容度の向上、性的アイデンティティや経験の多様化、性規範の進化といった変化と並行して生じています。しかし、これまでに行われてきた研究は
ポルノによる悪影響に目を向けたものが多く、特に女性における
ポルノ体験の複雑さが見落とされがちだったとのこと。
イギリス・サウサンプトン大学の性健康研究センターの博士課程に在籍するイーシュ・リー氏は、「今日の若い女性は以前よりオープンなデジタル環境で性的コンテンツに触れていますが、それでもなお性的な体験に影響するかもしれない文化的な期待に対処しなければなりません。これまでの多くの研究では、
ポルノの利用は主に視聴頻度の問題として扱われており、
ポルノに対する態度が性的
幸福の具体的な側面とどのように関連しているかは不明瞭です」と指摘しています。
そこでリー氏らの研究チームは、若い女性の
ポルノに対する態度と、性的
幸福感の中核をなす「性的満足度」と「セックスへの快適さ」を媒介するプロセスについて検証しました。リー氏は、「このアプローチは
ポルノを『良い』か『悪い』かで判断するのではなく、どの要因が実際にみられる関連性を説明するのかを突き止めることに焦点を当てています」と述べています。

実験には
イギリスに住む306人の若い女性が参加しました。被験者の平均年齢は約20歳で、その大半は
大学生だったとのこと。被験者は「
ポルノの視聴頻度」「
ポルノの視聴後の感想」「性的パートナーとのコミュニケーション方法」などに関する包括的なオンライン
アンケートに回答したほか、性的満足度や性生活全般に対する快適度について測定されました。重要な点として、
ポルノについて「性的関係を豊かにする」といった肯定的な態度を取っているか、「女性への搾取や道徳への悪影響が問題だ」といった否定的な態度を取っているかに応じて、被験者を区別したということが挙げられます。
次に研究チームは、女性の
ポルノに対する態度と性的
幸福感の関連性を説明する上で、「
ポルノの視聴頻度」「
ポルノの視聴後の感想」「性的パートナーとのコミュニケーション方法」といった要因が役に立つかどうかを分析しました。
分析の結果、
ポルノに対してより肯定的な態度を取っている女性は性的満足度が高く、自身のセクシュアリティに対する安心感も高い傾向があることが示されました。
また、性的満足度やセクシュアリティへの安心感が高い女性は、パートナーとの性的なコミュニケーションがより頻繁かつオープンであると回答していました。一方、
ポルノの視聴頻度や
ポルノの視聴後の感想は、
ポルノへの肯定的態度や性的
幸福度と関連していませんでした。確かに
ポルノに対して肯定的な女性は、
ポルノの視聴後により好ましい感情を表明する傾向があったものの、その他の要因を考慮すると性的
幸福度を有意に予測するものではなかったとのこと。
この結果は、パートナーとの性的なコミュニケーション方法が、
ポルノへの肯定的な態度と性的
幸福度の関係を媒介する要因になっていることを示唆しています。言い換えると、性的なコミュニケーションは
ポルノを肯定的に捉える姿勢と、自身の性体験への満足感や快適さとの隔たりを埋める助けとなったというわけです。

一方、
ポルノに対する否定的な態度は、
ポルノ視聴後に
羞恥心や罪悪感といった否定的な感情を抱くことと関連していましたが、性的満足度の低下やセクシュアリティへの不快感とは有意に関連していませんでした。これは、一部の女性は
ポルノに関して感情的な緊張を抱いているものの、それが必ずしも性生活の広範な問題につながるわけではないことを示唆しています。
リー氏は、「私たちの研究によると、
イギリスの若い女性サンプルにおいては性的コミュニケーションのみが、
ポルノに対する肯定的な態度と高い性的満足度および性行為への快適さとの関連性を説明できる要因でした。一方、
ポルノの視聴頻度や感情的反応はその役割を果たさず、
ポルノへの否定的な態度も性的
幸福度の低下と関連していませんでした」と述べました。
研究チームは、
ポルノを性的探求の正常または許容可能なものの一部だと見なす若い女性は、パートナーと性的嗜好(しこう)について話し合うことに抵抗がなく、それがより高い性的満足度とポジティブな性体験につながる可能性があると提唱しています。それと同時に、「
ポルノを視聴する頻度」といった要因は、想定されるほど性的
幸福度にとって重要ではない可能性が示唆されています。
なお、今回の研究結果は被験者のほとんどが若い
大学生であり、宗教心が弱く性に関してより
リベラルな
考え方を持っている傾向があったため、年齢層や文化的背景が異なる人々では違った結果が出る可能性があります。また、データは自己申告に基づいたものであるため、個人的なバイアスや社会的望ましさの影響を受けている可能性もあるとのことです。