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【いなりうどん】稲荷推しの聖地「伏見稲荷大社」参道の食堂で食べる…
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千本鳥居そんな予備知識はあまりなく、ただ伏見稲荷を目指してやってきた僕は、駅を降りるなりその風景に驚いた。駅周辺から神社にいたるまでの道には無数にみやげもの屋や飲食店が並び、歩くのも大変なほどの、まさに大観光地。立地や人気を考えてみれば当然なんだけど、あまり想像をしていなかった街並みだったので、一気にテンションが上がる。しかも僕は完全なる"稲荷推し"人間。色とりどりの稲荷モチーフグッズが目に入るたびに欲しくなってしまい、Tシャツ、マグネット、キーホルダー、ステッカーなど、ベタなみやげものを中心に、思わず散財しまくってしまったのだった。
その一部ちなみに伏見稲荷大社の本殿の後ろには「稲荷山」がそびえ立ち、ここを約2〜3時間かけてぐるりと回る「お山めぐり」というコースもあるそう。それにも挑戦したいと思っていたけど、この日はあまりにも暑かったこと、さらに、その後京都駅方面に戻って友人たちと飲む予定もあったので、次回の宿題とすることにした。もう少し過ごしやすい季節に、きちんと準備して挑むとしよう。
さて、時刻はちょうど昼どき。せっかくだから、複数ある飲食店のどこかへ入ってみたい。この日はイベントでもお世話になった編集者の森山裕之さんもご一緒してくださっていて、入ってみようと決めたのが、参道にある「花家」という店だった。
「花家」いかにも観光地らしい食事処といった、僕の大好きなタイプの外観。きっと長くこの地で営業を続けてきたのだろう。と思って、今、何気なくWEBで検索してみたらやはり、100年近い歴史があるそうだ。
入口付近の少しのテーブル席の奥が小上がりの座敷席になっていて、それがうなぎの寝床のように長い。ずらりと並ぶ座卓に座布団。壮観だ。さっそく「缶ビール」(税込500円)を注文し、グラスに注いで乾杯。
こういう店が大好きよく冷えたビールで乾杯
参拝後の酒はやたらと沁みるもので、長年あこがれていた伏見稲荷大社の後ともなれば感激もひとしお。感無量! これぞごりやく酒の醍醐味だ。
メニューのメインはそば/うどん類で、最安の「きつね」が750円、海老天ののった「天ぷら」が920円、最高級品の「にしん」でも980円と、ずいぶんリーズナブル。特に海外から来た人は驚いてしまうんじゃないだろうか。それからもうひとつの名物が「いなり寿司」。他にも巻き寿司や丼もの、おでんなどのつまみもあってちょうどいい。
ここでも当然稲荷推しでいきたい僕は、きつねうどんに半熟玉子がのったらしき「いなりうどん」(820円)。それに、いなり寿司2個がついて1,080円のセットに決めた。
「いなりうどんセット」すぐに到着したいなりうどんのつゆを、まずはうやうやしくすする。関西風のだしがメインで、甘みはないシンプルなつゆ。すでに2日間飲みまくり食べまくりだった胃袋をおだやかにコーティングしてくれるようだ。
続いておあげをひとかじりすると、これがしっかりと甘く煮込まれていて、つゆとのバランスが完璧すぎる。コシも、柔らかさも、この世のうどんの平均地点にあるような、言ってしまえば主張の薄い、だからこそ究極に優しい麺。それらの要素全てが一体となって、まるでどんぶりから癒しの波動を発しているような、あまりにもありがたい1杯だ。後半に崩して食べる半熟玉子のごほうび感も、なんとも言えず良い。
森山さんが注文した「にしんそば」もうまそうだったセットのいなりがまたいい。店頭の大鍋で大量に煮られているおあげに、黒ごま入りの甘めの酢めしがふわり。ふたりとも根っからの酒好きで、もちろんビール1缶だけでは足りず「清酒一合瓶」(700円)を追加して、そのいなりや、残ったうどんのつゆをつまみにちびちびとやる。あぁ、これでもう、今日思い残すことはなにもないな。
ありがたみ満点「清酒一合瓶」こうしてこの日は、人生の願い事をひとつ叶えることができた、僕にとっての新しい記念日となった。
このあとは京都駅付近へ移動し、主に関西方面在住の友人たちと、途中で新幹線の指定席の時間を遅らせてまで大いに飲んだ。言うまでもなく、伏見稲荷神社のごりやくにより、あまりにも楽しくて美味しくて幸せな時間を、ありがたく堪能させてもらったのだった。
取材・文・撮影/パリッコ