
Intelは近年、先端プロセス技術の開発で後れを取り、AIデータセンター
市場では
NVIDIAに大きく引き離されてきた。PC向けでも、
デスクトップCPU分野においてA
MDの攻勢を受け、
市場シェアを脅かされている。こうした苦境を打開するため、Intelは支出抑制、製造計画の見直し、さらには数千人規模の人員削減など、抜本的な構造改革を進めてきた。
その一方で、米国政府は「米国ファースト」政策のもと、Intelを戦略的に支援しており、今年8月には約89億ドル(Intel株式の約10%相当)の出資を決定した。さらに、ソフトバンクも20億ドルを拠出している。こうした資本注入はIntelが米
半導体産業の製造基盤を維持・強化するための後押しと位置づけられる。今回の
NVIDIAによる出資は、それに続く重要な支援といえる。
今回の協業における大きな柱は以下の2点である。
データセンター向け製品:Intelは、
NVIDIA向けにカスタマイズされたx86 CPUを開発し、
NVIDIAがこれを自社のAIインフラストラクチャ・プラットフォームに統合して提供する。両社はアーキテクチャの連携にあたり、
NVIDIAの高速インターコネクト技術「NVLink」を採用する予定である。NVLinkは、
PCI Expressなど他の標準規格と比べてチップ間の転送速度が速く、大規模な
GPU並列処理を要するAI
アプリケーションにおいて重要な役割を果たす。
PC向け製品:Intelは、
NVIDIAのRTX
GPUチップレットを統合したx86システムオンチップ(SoC)を開発し、
市場に投入する。両社はこれまでもゲーミング
ノートPCなどで協力しているが、今回のSoC統合はAI時代のPC
市場に向けた新たな一手となる。
NVIDIAのCEOであるジェンスン・フアン氏は、「この
歴史的な協業は、
NVIDIAのAIとアクセラレーテッド・コンピューティングのスタックを、IntelのCPUと広大なx86
エコシステムに緊密に結合させるものだ」と述べている。一方、IntelのCEOであるリップブー・タン氏は、Intelのデータセンターおよびクライアント・プラットフォームに加え、プロセス技術、製造力、パッケージング技術が、
NVIDIAのAI分野におけるリーダーシップを補完し、業界に新たなブレークスルーをもたらすと語った。