記事作成時点の
スマートフォンに搭載されているディスプレイは数百万ピクセルもの解像度があり、小さなディスプレイ上に高解像度の画像を瞬時に表示できます。ところが、
アメリカのウィスコンシン州在住の
ソフトウェアエンジニアであるベン・ホルメン氏は木材を使い、表示に長い時間がかかる上にわずか1000ピクセルの木製ディスプレイを作り上げました。
I spent 6 years building a ridiculous wooden
pixel display
https://benholmen.com/blog/kilo
pixel/

ホルメン氏は約6年前に、「誰でも操作できるウェブインターフェースを備えた、大きくて非効率なディスプレイを作る」というアイデアを思いつきました。最終的に40×25のグリッド状に並んだピクセルを単一の機構で1個ずつ回転させるという、世界で最も非実用的なディスプレイの構想にたどり着いたとのこと。
構想したディスプレイは40×25ピクセル、つまり1000ピクセルであることから「Kilo
pixel」という名称を思いつき、「kilopx.com」というドメインも取得したことでホルメン氏は本腰を入れてプロジェクトに取りかかりました。
ホルメン氏は当初、ピンポン球やおもちゃのボールなどを半分で塗り分け、ピクセルの代わりにするという方法を考案しました。

ところが、ピンポン球などは精度や加工の問題があり、1個ずつボールを回転させる機構にも難があったとのこと。

最終的にホルメン氏は、塗り分けたボールをピクセルにするのではなく、立方体の木製
キューブをピクセルにすることにしました。ホルメン氏には木材加工の技術があったものの、1000個もの木製
キューブを作るには膨大な時間がかかったそうですが、最終的な操作性と
見た目には満足していると述べています。
ホルメン氏が作った木製
キューブが以下。単に薄い棚板に一定間隔で並べるだけでは最終的な誤差が大きくなるため、棚板に穴を空けて金属線を通し、そこにピクセルを正確にはめ込むという方法で並べられました。これは数週間かかる大変な作業でしたが、これによってピクセルグリッドが予測可能なものとなり、各ピクセルが周囲のピクセルから独立して動くことが可能になりました。

木製
キューブを並べただけでも40×25ピクセルの木製ディスプレイはきれいで、手で回転させるだけでさまざまな図形や文字を表示できました。しかしホルメン氏はこれで満足することなく、シングルボードコンピューターのRaspberry PiをCNC(コンピューター数値制御)コント
ローラーに接続し、
APIクエリに応じて適切なピクセルを押し出し、回転させる装置を開発しました。

木製
キューブには90度ごとに刻み目が入っており、これによって突き出された際にピクセルが正しくそろいます。突き出し機構には柔軟なグルースティックが採用され、CNCプログラミングに用いられるGコードで動作が制御されています。突き出し機構はこんな感じ。

突き出し機構は
APIクエリに応じて適切なピクセルの前に動きます。

グルースティックが押し出されると、ピクセルが回転します。

回転するとピクセルの色が変わる仕組みです。

ホルメン氏が作成したKilo
pixelはオフィスに設置されており、ユーザーが投稿した図形の中から投票で選ばれた図形をリアルタイムで描画しています。
kilo
pixelhttps://kilopx.com/?ref=blog

Kilo
pixelがゆっくり図形を描画する様子は、以下のライブ配信のアーカイブを見るとよくわかります。
Kilo
pixel - YouTube
ある図形の描画が始まったのは、アーカイブの44分48秒頃。

1分間に10個のペースで、左から順に少しずつピクセルがひっくり返されていきます。

1時間2分頃には、ディスプレイの左側に恐竜の姿が描画されました。

そして1時間13分頃には、恐竜とサボテンのシンプルな絵が描画されました。

Kilo
pixelの描画はYouTubeでライブ配信されています。
Kilo
pixel:: one thousand
pixels, one at a time - YouTube
なお、ユーザーは描画ツールを使ってKilo
pixelで描画してほしい図柄を応募できるほか、以下のページではさまざまなユーザーから募集された図柄の中から、描画してほしい図柄に投票することが可能です。
kilo
pixelhttps://kilopx.com/submissions?ref=blog