気候面に声をあげたのは15日に
アトレティコ・マドリー戦を飾ったパリSGのルイス・エンリケ監督。試合は欧州王者の威厳を見せて4-0で大勝したが、『ESPN』によると試合後、ヨーロッパ向け
放映権の影響で酷暑の正午キックオフとなったことに「明らかに気温の影響を受けていた」と振り返り、「ヨーロッパでは最高の時間だが、チームは苦しんでいる」と問題提起した。
この試合ではA・マドリーのDFマルコス・ジョレンテも「こんな形で始めたくはなかった」と大敗を振り返りつつ、「信じられないほど暑かった」と酷暑の苦しみを報道陣に吐露。「条件はみんなが同じだから不満を言っても仕方がない」としつつも、「つま先が痛いし、爪まで痛かった。止まることも走り始めることもできなかった。信じられないほどだ」と惨状を明かしている。
この一戦は1994年の
アメリカW杯決勝が行われたカリフォルニア州ローズボウルでの開催。屋根のないなだらかなスタンド形状に80,619人の大観衆が詰めかけたが、彼らにとっても気温32度の暑さと鋭い直射日光は厳しいものだったようだ。
ローズ・ボウルに集まった大観衆
イギリス『ガーディアン』によると、飲料水を買うのに45分待ちの行列ができており、熱中症で運び出された観客もいた様子。またコンコースの大半がアスファルトで覆われているため、照り返しによって体感気温もより高まっていたという。加えて同紙は周辺の交通渋滞により、多くのファンが試合開始になってもスタジアムに入れなかったことも指摘している。
一方、16日に
アトランタの
メルセデス・ベンツ・スタジアムで行われたチェルシー対ロサンゼルスFC戦は、カリフォルニアのような喧騒はなく、むしろ多数の空席が目立つ形となった。同スタジアムの収容人数は71,000人だが、公式入場者は22,137人。イギリス『BBC』によると、スタンド上層は閉鎖されたままだったという。
試合後、2-0で勝利したチェルシーの
エンツォ・マレスカ監督は「雰囲気が少し変だった。スタジアムは満席ではなく、ほぼ空席だった」と語った様子。「我々はプロフェッショナルであり、状況や環境には適応しなければならない。満員でプレーする時も、満員でない時も適応しなければならないし、それは関係ない」とも付け加えたようだが、チケット販売に苦言を呈した格好だ。
ロサンゼルスFCは開催国
アメリカのクラブだが、当初はクラブW杯の出場権を持っていなかった。23年の北中米
カリブ海王者のクラブ・
レオンが出場権を失ったことに伴い、緊急で行われたプレーオフを勝ち抜いて出場権を獲得したという経緯があり、ホームタウンのロサンゼルスから3000km以上も離れた場所で初戦を戦ったため、
サポーターが少数にとどまったようだ。
イギリス『BBC』が取材した
アメリカ人ジャーナリストによると、空席が相次いだ要因は「大会が新しいため、
アメリカ人にとってあまり魅力がないから」。試合直前に最安7000円相当だったというチケット代も一因に挙げられている。