1歩1歩階段を上がるなか、2022年1月にベルギー1部オーステンデヘ移籍。そして2023年7月からイン
グランド2部コベントリーでプレーしている。
海外での4シーズン目を終え、5シーズン目に向かう28歳の胸中に迫った(第3回/全6回)。
【#1】「また届かないか」開きかけたプレミアへの扉――坂元達裕が今、思うこと。ランパード監督も認める28歳が欧州で躍動する理由が垣間見えた――◆――◆――
坂元はFC東京のジュニアユースからユースへ昇格できず、挫折を味わった。それでもサッカーの名門校で着実に力をつけ、プロの道へ。それ以来、J2→J1→日本代表→海外挑戦とステップアップを踏んでおり、当初は全く想像できなかったキャリアを送っている。
「僕はプロになれるかも結構ギリギリの状況だったので。もちろんその時には、海外に出る考えは1ミリもなかったです。1歩1歩堅実に結果を残して階段を上ってきた気がします。もう少し絶対的な圧倒的な結果を残せていたら、もっとトップのリーグでやれていたのかもしれないですけど、僕の今の実力はここ。自分が想像していた以上の結果は残してこれているなかで、僕ならまだまだ上に行けると思っています」
元々海外挑戦には興味がなかったものの、C大阪時代の2021年に受けた日本代表初招集が、考えが変わるきっかけになったという。
「その時はまだ若かったというか、本当に考えが甘くて、受け身な形で代表に行ってしまいました。少しビビりながら行って、ヨーロッパでやっている日本人の選手たちに圧倒されたんですよね。強度や球際の部分は、Jリーグでやっているのと比べ物にならないぐらいの違いを感じて、その時に『このままじゃダメだ』と。激しい環境でプレーすることが自分の成長に繋がると思ったので、そこから海外を意識し始めました」
森保ジャ
パンで一緒にプレーした選手の中で、特に印象に残っている、衝撃を受けた選手には守田英正の名を挙げた。
「シンプルにプレッシャーのスピードや球際の部分、1対1とかを練習の中でやって、圧が全然違ったというか。他にもそういう選手はたくさんいましたし、それがアベレージだったので、衝撃を受けましたね」
海外挑戦を続けるなかで、飛躍への確かな意義を感じている。だからこそ坂元は、「チャンスがあるなら海外挑戦は絶対にするべき」と断言する。
「上に行けるチャンスは、ヨーロッパでプレーしていた方が間違いなくあるので、それに挑戦しない手はないです。ヨーロッパでプレーし続けるのはすごく難しいですし、そこで圧倒的な結果を残して、トップで活躍するのは、もっと果てしなく難しいですけど、それにチャレンジする権利は得られるので。そこは僕自身、すごく楽しみながらできていますし、今4年やり続けられているのは、自分にとって大きな自信になっています。
あとはもう1段階。僕は今年29歳になるので、ステップアップが難しい年齢になってくると思いますが、可能性はなくはない。そこはチャレンジし続けていきたいです。すごく楽しんでできています」
さらなるステップアップ――それはいたってシンプル、「プレミアリーグに行くこと」だ。
「
ランパード監督の下で良い結果を得た今シーズンは、プレーオフで敗れて、あと1歩のところで昇格を逃してしまいました。中々簡単ではないですが、チャンスは間違いなくあります。コベントリーはすごく良い選手が揃っていますし、チームとしても組織的にもすごく良いグループなので、間違いなくチャンスはあると思っているので、それを掴みたいです。
僕がこの年齢で5大リーグからオファーをもらってステップアップする可能性もなくはないと思うんですけど、現実的に考えたら今のチームでプレミアに上がる可能性の方が僕は高いと思っているので、そこを目標にしています」
開きかけた世界最高峰プレミアリーグへの扉。坂元は「もちろん、2部との差はすごく大きなものだと理解しています。ここ2年、2部から上がった3チームがそのまま降格している現実を見ても、差は大きい」とリ
アリスティックに捉えつつも、こう言い放った。
「自信はありますね。自信はあるというか…やってみたい、自分の価値を示したい思いの方が強いですね。世界トップのプレミアで、自分みたいなプレースタイルの選手がどれだけできるのか僕自身すごく気になります。
ウインガーとして僕はそこまでスピードがないですし、身体で
ゴリゴリ行けるタイプでもないですけど、自分みたいなタイプがプレミアリーグで活躍できたらすごく面白いと思います。やってみたい、チャレンジしたい気持ちはすごく強いです」
キャリア向上で言えば、当然、日本代表復帰も欠かせない
キーワードだ。来年の夏には北中米
ワールドカップが開催される。
「もちろん入りたいです。今回も代表に入れずに悔しいですが、もし今回プレーオフを勝ち抜いてプレミアに行っていたらもっとチャンスはあったと思いますし、入れた可能性も今以上にあったと思います。現に僕がそのチャンスを逃しているので、言い訳はできません。プレミアに上がって、ある程度活躍を示せれば、可能性は高まると思っているので、今はこのチームでとにかく結果を残してプレミアに上がることが全てだと感じています」
プレミアリーガーとして日の丸を背負って大舞台へ。28歳のレフティが描くビジョンは極めて明確だ。
取材・構成●有園僚真(サッカーダイジェストWeb編集部)