準々決勝の1セット目、
サンバーズは思いのほか、もたついている。
サーブで崩せず、ブロックもはまらない。サイドアウトは取るも、一進一退が続いた。デュースに持ち込まれ、結局は27−25でこのセットを奪ったが......。
「自分たちがミスを出して、リズムが悪いところはありました。相手の雰囲気、リズムに合わせてしまって......」
郄橋はそう振り返っている。第2セットも最後は突き放し、25?20で制したが、相手のペースに"お付き合い"していた。
「それで3セット目からは、"自分たちのバレーを出していく"というのを再確認しました。自分たちから得点を取りにいく、というアグレッシブさが足りなかったんじゃないかなって。ただ、(1、2セットも)終盤でのポイントは取れていましたし、だからこそ競り合っていても最後に取りきることができました。取らないといけないポイントは取れていたのかなと思います」
【準決勝の相手にはニミル、ウ
ルナウトらが...】
3セット目は、「サーブで崩し、ブロックで優位に立つ」というサンバーズのお家芸が炸裂した。
「サーブから崩すことが、サントリーの強みを生かすので、ブロックの高さ、ブロックディフェンスで勝負していくことができました。要所でエースも決まったし、そこは継続して。しっかりとポイントを取るため、効果的なサーブを意識していきたいですね」
郄橋はそう言うが、終盤には彼自身のサーブからドミトリー・ムセルスキーがシャットアウトするなど連続でブレイク。最後は25−9と蹴散らしている。
「今日はスパイクで高い決定率を残せましたし、パイプ(クイックのおとりを使い、後衛の選手がセンター付近から攻撃する)も含めて、攻撃でチームに貢献できたかなと思います」
郄橋のこの日のバックアタックはほとんど百発百中だった。相変わらず、勝負どころでとことん強い。勝負の分かれ目では星のように輝き、チームの進むべき道筋を示せる。
「大宅(真樹)選手のトスワークあってこそのバックアタックですね。いいテンポで(トスを)上げてくれていると思いますし、SVリーグでも積み重ねてきたことですが、今日も打ちやすかったです。相手のブロックがないか、来ても1枚だったので、いい形で打てました」
歯ごたえがないほどの圧勝だった。平たく言えば、サンバーズはアジアで抜きん出た存在と言える。日程的には相当に厳しく、チャンピオンシップと比べたら、60%に満たない出来だったが、それでも相手を寄せ付けていない。逆説すれば、SVリーグがいかにタフな戦いだったかを物語っていた。
ただ、5月17日の準決勝は骨のある相手だ。
カタールのアル・ラーヤンは、資金力に物を言わせた"急造スター軍団"である。SVリーグ、レギュラーシーズンのMVPを受賞した元名古屋ウルフドッグスのオポジット、ニミル・アブデルアジズは怪物級だろう。同じくウルフドッグスにいたティネ・ウルナウト、さらにイタリア、セリエAでも活躍していたノーモリー・ケイタなども擁している。
また、サンバーズはチャンピオンシップ準決勝でウルフドッグスと死闘を演じ、ニミルのレッドカードが物議を醸した......。
「簡単に勝てる相手ではないです。ニミル、ウルナウト、ケイタと、結構、名のある選手が揃っているので。ただ、やるべきことは自分たちのバレーボールなので、それができれば、自ずと結果につながるはず。自分たちが1点にこだわることが勝利につながる。改善ポイントもいっぱい出たし、1日空くなか、準備をして挑みます」
サンバーズは、虎視耽々とアジア王者を目指す。まずはカタール王者と対決。その試練を越えたら、5月18日の決勝は大阪ブルテオンとの"大阪ダービー"になるかもしれない。
「準決勝は必ず勝って......。世界一のクラブになることが目標なので、まずアジアで一位にならないと、その先はないので」
郄橋の宣戦布告だ。