ドナルド・トランプ大統領がワシントン連邦地検の
検事正代行に指名したエド・マーティン氏が、Wikipediaの運営組織であるウィキ
メディア財団に対し、非営利団体としての地位に疑問を呈する書簡を送付したことが明らかになりました。マーティン氏はWikipediaに対して、「
アメリカの免税組織法における義務に違反する可能性のある一連の活動を行っている」と指摘しています。
Exclusive: Trump’s D.C. Prosecutor Threatens Wikipedia’s Tax-Exempt Status
https://www.thefp.com/p/trump-prosecutor-threatens-wikipedia

Trump DOJ goon threatens Wikipedia | The Verge
https://www.theverge.com/news/656720/ed-martin-dc-attorney-wikipedia-nonprofit-threat
内国歳入法の第501条C項に基づき、免税組織は「宗教、慈善、
科学、公共安全のための試験、文学、教育目的のみ」で活動しなければいけません。しかし、Wikipediaは「外国の主体による情報操作やプロパガンダの拡散を許している」とマーティン氏は主張しています。具体的には、Wikipediaで「
歴史的出来事」や「国家安全保障および
アメリカの国益に関わるその他の事項」の書き換えが行われていると指摘しました。
マーティン氏は運営元のウィキ
メディア財団に対し、プロパガンダから国民を守るためにどのような取り組みをしているのか、また、
歴史を改変したり書き換えたりするような話題について「外国の影響力工作員による標的型編集」を排除するためどのような取り組みを行っているのか、といった質問への回答を求めています。なお、マーティン氏はウィキ
メディア財団に対し2025年5月15日までの回答を求めています。
これに対して、ウィキ
メディア財団の副法務顧問であるジェイコブ・ロジャーズ氏は、「Wikipediaのコンテンツは中立的な視点、検証可能性、独自の研究をしないことという3つの主要コンテンツポリシーにより管理されています。これらは情報が可能な限り正確で公平で中立的に提示されることを保証するために存在します」「コンテンツモデレーションのプロセス全体は、約26万人のボランティアによって監督されており、誰もが見ることができるよう公開されることで、透明性が保たれています。だからこそ、我々はWikipediaの仕組みを説明する機会を歓迎しており、適切なフォーラムで説明する予定です」という声明をThe Vergeに出しています。

マーティン氏は
メディア組織に対する根拠薄弱な法的脅迫を繰り返していると海外
メディアのThe Vergeは報じています。実際、マーティン氏はマサチューセッツ内科外
科学会が発行する継続して発行されている医学
雑誌の中では世界最長の
歴史を持つThe New England Journal of Medicineや、呼吸器系の医学
雑誌であるCHEST Journal、産婦人科関連の
科学誌であるObstetrics and Gynecologyなどに書簡を送付し「
科学的議論において党派的である」と非難しています。
マーティン氏によるWikipedia批判について、The Vergeは「右派がWikipediaを攻撃する際の傾向とよく似ている」と指摘。2024年にイーロン・
マスク氏は支持者に対して「Wikipediaへの寄付を辞めろ」と呼び掛け、Wikipediaを「旧来
メディアによるプロパガンダの延長」と言及しました。
また、2025年1月にはプロジェクト2025を主導する右派シンクタンクのヘリテージ財団が、Wikipediaの編集者を標的とすることを目的とした一連のスライドを含む
プレゼンテーションを作成していたことが明らかになっています。
これらの事態を受け、ウィキ
メディア財団は編集者の身元を保護するためのツールを作成しています。ウィキ
メディア財団のマリアナ・イスカンダーCEOはコミュニティに向け「世界中で規制と訴訟の両方の脅威が増加している」と伝えたことが報じられています。