
パーソナリティの茂木健一郎
<リスナーからの質問>僕は勉強を頑張りたいのですが、集中力が続かず、気が散ってしまうことが多いです。やる気があるときはスムーズに進むのですが、
モチベーションが下がると何も手につかなくなります。
茂木さんは、よく「フロー状態」(※時間が経つのを忘れるほど集中している状態)についてお話されていますが、フローに入りやすくするための具体的な方法や、脳
科学的に効率よく集中するコツがあれば知りたいです。
また、
モチベーションが低いときにどうすれば自分を動かせるのか、ア
ドバイスをいただけると嬉しいです。
<茂木の回答>「
モチベーション」や「やる気」は、実は必要ないと気づくことが、
人生においてすごく大事なことなんです。私も毎朝起きてから夜寝るまで、ずっと何かしらの活動をしていますが、面白いとは思っていても、「
モチベーション」や「やる気」を意識することはありません。
モチベーションとは、何かをやりたくないときの言い訳として使われることが多いのです。
ちょっと考えてみてください。歩くときに、「よし、歩こう!」と
モチベーションを高める必要はありますか? ありませんよね。
何かを継続するためには、それを習慣にすることが大切です。そして習慣化する過程では、
モチベーションや、やる気は不要なんです。むしろ、「
モチベーションが上がった」「下がった」と考えることが、1つの落とし穴になってしまうのです。
「やる気があるときにはスムーズに進む」と書かれていますが、それは「やる気があるから」ではなく、そのとき「集中できているから」なんです。
だから、「やる気が出ない」「
モチベーションが湧かない」と考えること自体が、フロー状態に入る妨げになってしまうんですね。
例えば、アスリートがオリンピックで金メダルを獲るという目標はあっても、日々の練習で(毎回)そのことは考えません。ただ、決められた時間に黙々とトレーニングするだけなんです。だからこそ、「
モチベーションや、やる気は必要ない」と気づくことが、とても重要だと思います。
フロー状態に入るとは、雑念を1つずつ取り除いていくことです。そして、その雑念のなかには「
モチベーションや、やる気がなければならない」という思い込みも含まれているのです。
ところで、今あなたが勉強しているのは何でしょうか? きっと、それを「学びたい」と思った原点に、何かしらの感動があったはずです。私自身、子どもの頃に蝶の観察をして、命の美しさに感動したり、アインシュタインの
相対性理論を読んで感動したという原点があります。あなたにも、きっとそうした「原点の感動」があると思うんです。
その感動が、自分の
人生の「方向」を作るのです。方向が定まれば、あとは日々のルーティンをこなすだけ。そこに
モチベーションや、やる気は必要ありません。淡々と続けることが、フロー状態を保つ鍵なのです。ぜひ、試してみてくださいね。
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音声版「
茂木健一郎のポジティブ脳教室」 https://www.tfm.co.jp/link.php?id=12503
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<番組情報>
番組名:
茂木健一郎のポジティブ脳教室
配信日時:毎週土曜 22:30配信(予定)
パーソナリティ:
茂木健一郎