原作は、ヤチナツ氏の著書『真・女性に風俗って必要ですか?〜女性用風俗店の裏方やったら
人生いろいろ変わった件〜』(新潮社)。
昨今注目を集める女性用風俗・通称 女風(ジョフウ)のリアルを、裏方で働く主人公・アカリ(
山崎紘菜)を軸に、明るく健やかに描く。
【動画】「ジョフウ 〜女性に××××って必要ですか?〜」最新話
「テレ東プラス」は、原作者・ヤチナツ氏を取材。取材の舞台裏やジョフウのリアルなど、話を聞いた。
お客さん側が大切にしているのは“心の充足”で、セラピスト側は、その充足感を満たすことに注力している
――原作も大変面白く、読み進めていくうちに、単純な興味や面白さからまた違ったテーマも見えてくる作品で、深いなと感じました。映像化すると聞いた時の感想から教えてください。
「嬉しかったです。自分の作品の中では一番
メディア化できそうな題材だなと思っていましたし、ジョフウが抜けていくだろうなと思っていたので、“よし、見つかったぞ! よしよし”みたいな感じでした(笑)。“地上波で映像化するのであれば、テレ東さんかな?”とも思っていたので、見つけていただいた時は嬉しかったです」
――撮影現場も何度か見学したそうですね。
「もう完全にお客さんのような感じで、“おーこうなるんだ! へー”と(笑)。それと同時に、キャラクターへの敬意をすごく感じました。こんなにしっかりオーディションをやってくれるんだと思いましたし、髪形が違っても演じているのを見ると“確かにこの俳優さんはこの役だわ”みたいな。キャスティングが素晴らしいと思いました」
――ヤチナツさんがジョフウをテーマに描こうと決めた背景は?
「ジョフウに関してほぼ無知で、存在をぼんやり知っていたぐらいなんですよ。
新潮社さんの方で“この題材にはどの
作家が向いているか”というコンペがあり、今回は私が選ばれたという形でした。『ジョフウというテーマでどうですか?』と言われて、元々エッチな表現が得意なので全く抵抗がなくて、すぐに『やります』と伝えたんですけど、今度は編集さんの方が『大丈夫ですか? 全然断っていいですからね』みたいな(笑)。“やってほしいのかほしくないのかどっちなん?”みたいな感じでした」
――攻めた内容ですし、編集サイドとしても躊躇したところがあったのかもしれませんね。原作はほぼノンフィクションだそうですが…。
「そうですね。しっかり取材させていただいています。近年多くのジョフウ漫画が誕生していて、他の作品と差別化を図るために、ジョフウ内部の話、運営側の視点でお客さんを見ていく方がいいのではないかと考えました」
――たしかにこの作品は、運営側の視点でも見ることができます。それと同時に、アカリ自身の心の揺れ動きが描かれるのも面白いなと思いました。どのように取材を?
「セラピストの方や会社の代表さん、ジョフウの講師の方や内勤の方にインタビュー取材し、かなり細かく聞いています」
――ドラマでも描かれていますが、セラピストの講習がここまで徹底しているという事実に驚きましたし、信頼性を感じました。ヤチナツさんとしては、“裏側=プロ”という側面を描くことに何かしら狙いがあったのでしょうか。
「PR漫画ではないので、そこまで“ジョフウの信用のために…”というわけではなく、たまたまインタビューした講師の方がPodcastをやっていて、番組で『かなり細かく指導しています』と講習の内容を話していて、それが面白かったから描いただけなんです。でも結果的には、その先生に『すごくありがたいです』と言っていただけたので、それは良かったなと。
ただ今回の作品で言うと、ジョフウの内勤に女性がいることをアピールするのって、実は全くプラスではないんですよ」
――それはお客さん側の嫉妬とかそういう…?
「そうですね。お客さんとしては、内勤スタッフに女子がいるというのは知りたくない情報らしいです。なので『“女子が仕事として徹底的に指導しています。ここまで厳しくやっています”という部分を描いてくれてありがとうございます』とは言われました」
▲第2話より
――ヤチナツさんが取材を進める中で、ジョフウに対する新たな発見はありましたか?
「あまり想像せずに連載が始まって、無知で入った世界なので、新たな発見という意味では少ないんですけど、お客さん側が大切にしているのは“心の充足”で、セラピスト側は、その充足感を満たすことに注力していると聞いた時は、“あーなるほどね”と思いました」
――単に技を施すだけではなく、心の底からケアしていくと。
「そうですね。セラピストに会うために美容院やネイル、エステに行ってから会いに行く方もいらっしゃると聞いて。セラピストとの疑似恋愛を楽しんでいる層もいるようです。
その一方で風俗嬢の方もけっこういるらしく、その界隈の人たちはかなりライトに友達みたいな感覚でジョフウを使っていると思います」
▲第2話より
――ジョフウを使う側の心構えは? こうしたら楽に、もっと気軽に使えるよというアドバイスはありますか?
「何を求めるかはお客さんのタイプによると思いますが、理想はエステみたいな感じで使えたらいいよねとは思います。ただ、元々女性の体や脳は、セックスをすると好きになってしまう傾向があるらしく、“体を預けたんだから、この人は私にとって大事な人”と思うようにプログラムされているらしいんですよ。なので、色恋とか好きになっちゃうのはしかたがないと思うんですよね。
だからジョフウを主軸にするのではなく、男性と遊ぶ、恋愛も楽しみながらジョフウを使う。実生活をより良くするためにアシストしてもらうみたいな使い方だといいんじゃないかなと思います。
あと、パートナーがいる方について言えば、ジョフウで新たな技や、こうしたら自分はもっと気持ち良くなるんだということを学んで、パートナーにさりげなくやってもらうように仕向ける、日常のセックスをより良いものにしていくという方法もありますよね。
自分の体で分かると言語化しやすくなって人にも伝えやすくなるし、オーダーしやすくなる。“こういうことをやってほしい”と伝えたら、パートナーもそのリクエストに応えてどんどん成長していく…あとはそのまま末永く幸せにね〜という感じです(笑)」
後編では、「日本人の性」「セラピストたちの背景」について話を聞く。
【ヤチナツ プロフィール】
1992年生まれ。石川県出身。著書に、さわやかエッチな赤裸々女子会マンガ 『20時過ぎの報告会』 (KADOKAWA)『真・女性に風俗って必要ですか?』(新潮社)など。
【第2話を好評配信中】
女性用風俗店“パラディーソ”の裏方として働くアカリ(山崎紘菜)は、3人のセラピスト希望者の面接を行う事に。自信満々なスバル(木村伊吹)、不安げなタロ(藤林泰也)、お調子者のコスモ(渋江譲二)。3人ともそれぞれに良いところがあるというアカリの一言で、ひとまず3人共に実技講習へと進む。しかし、指導係・深田翔子(遊井亮子)の実技講習は全然エロくなくて…!? さらに、アカリの親友がモニターに!?
(取材・文/蓮池由美子)