Googleは著作権侵害対策の取り組みとして、主に権利者からのDMCA削除リクエストに従って、違法なコンテンツをGoogle検索の検索結果から削除しています。オーディオファイルをWAVやMP4など他の形式に変換できる「
MP3.to」というサイトについて、音楽業界団体の訴えに従いGoogleは検索結果からの削除を実施していましたが、闘争の末にGoogleは削除を撤回したことが報じられています。
MP3.to Successfully Challenges Music Industry's 'False' DMCA Circumvention Takedown * TorrentFreak
https://torrentfreak.com/mp3-to-successfully-challenges-music-industrys-false-dmca-circumvention-takedown-241204/

音楽会社はストリーミングサービスなどから
MP3ファイルをダウンロードできるツールを積極的に削除しています。「ストリームリッピング」と呼ばれるこれらのツール使用はストリーミングサービスの規約で禁じられており、ストリームリッピングに関連するツールやサイトについて何千もの削除リクエストが過去にGoogleへ寄せられ、数百万のURLが削除されています。
2024年11月に、スペインのレコード産業を代表する音楽業界団体であるプロムカシエが、複数のストリームリッピングに関するURLのリストをGoogleに削除依頼として送りました。リストアップされたURLには、ストリーミングサービスから違法にオーディオファイルをダウンロードできるサービスも含まれていましたが、中には
MP3.toなどのコンテンツをダウンロードすることはできないサイトも含まれていました。
MP3.toは手元にあるオーディオファイルをアップロードし、別の形式に変換できるツールです。サードパーティのサイトやサービスにアクセスする方法は
MP3.toに含まれておらず、デジタル著作権管理(DRM)などのアクセス制御が組み込まれていない
MP3を自己責任で変換する場合、DMCAに違反する可能性は低いです。しかし、Googleはプロムカシエからの要求を受け、
MP3.toも他のストリームリッピングサイトと同様に検索結果から削除しました。

DMCA削除が行われると、サイトの所持者には通知が届きます。また、サイトのURLが検索結果から除外されるだけではなく、関連するAdSenseアカウントにも影響を及ぼすため、ビジネスに直接的な損害を与えます。そのため、
MP3.toは法律事務所を通してGoogleおよびプロムカシエに「削除通知は名誉毀損(きそん)であり虚偽である」として10日以内に撤回を出して誤りを訂正するよう求める命令書を送りました。
命令書では「プロムカシエの通知は、『著作権のある作品へのアクセスを効果的に制御する技術的手段を回避するために使用される技術またはツールを、
MP3.toが提供している』と主張していますが、これは完全に誤りであり、
MP3.toは不正行為の主張を無条件に否定します。
MP3.toは、著作権で保護された作品を保護するために実装されたいかなる技術的制御も回避しません」と
MP3.to側は主張しています。
Googleは
MP3.toから書簡を受け取った後、内部調査を実施した上で、
MP3.toのURLおよび関連するAdSenseアカウントを復元しました。Googleの広報担当者は「削除の影響を受けたすべてのウェブサイトは、再審査をリクエストすることができ、その後エラーを修正できます。GoogleのDMCA削除プロセスは、権利保有者が著作権を侵害するコンテンツを報告しやすいように効率化しつつ、ウェブ上の表現の自由を保護することのバランスを取ることを目的としています。当社は徹底した透明性を提供し、説明責任を果たすために通知を提出しています」と述べました。一方で、
MP3.toをストリームリッピングと混同して削除要請を送ったとみられるプロムカシエは、記事作成時点で報道機関からのコメント要請に応じていません。
著作権に関するトピックを扱うメディアのTorrentFreakによると、プロムカシエの削除要請に含まれているURLの中で、技術的な保護手段を回避するストリームリッピングを含まないものは
MP3.to以外にもあるそうです。しかし、記事作成時点ではそれらのサイトもGoogleの検索結果から削除されたままであり、DMCAリクエストに基づく削除の精査が足りていない可能性についてTorrentFreakは指摘しています。