川上:映画の助監督です。彼とはドラマ『TOKYO VICE』の撮影で2021年に知り合ったのですが、超スピーディに恋愛関係になりました。お互いに「この人だ!」と思ったんですよね。
――川上さんが
セクシー女優をしていたことについては、どう思われていたのでしょうか。
川上:彼は海外の元映画プロデューサーの母と俳優の父を持つ人で、もともとアメリカ出身のハーフなのもあって
セクシー女優に対して偏見がなかったんですよ。最初は「
セクシー女優なの?!すげー!」って感覚だったみたいです(笑)。
でも、ある時に私が演技について悩んでいることを話したら、「この子も悩み事を抱える一人の人間なんだ」と感じたようで。そこからは普通の女の子としてもちゃんと想ってくれるようになりました。
――素敵なお話です。そういった環境ならば、
セクシー女優だった過去を隠さなくても問題ないでしょうね。
川上:でもきっと、かなりの数の
セクシー女優がパートナー問題を抱えているはずです。相手がこの仕事をどう思うか、打ち明ける否か……絶対に気にすると思うんですよ。
でも世界的な視野で見ると、この職業ってリスペクトの対象でしかないんですよね。夫も夫の家族もみんな私をリスペクトしてくれている。だからこそ、自分の子どもにもリスペクトして欲しいという気持ちがあります。
◆子どもにも
セクシー女優だった過去をリスペクトして欲しい
――お子さんにもいずれは伝えるつもりがあるのですか?
川上:ママはこんな功績を残しているんだよ、培ってきた過去があって今の私たちがあるんだよってことを、家族で共有したいと思っています。
ただ、具体的にいつどうやって伝えるかはまだわかりません。彼がもう少し成長して「あれ?」と疑問を持ったタイミングで話し合うつもりです。とりあえず今は、夫婦で私の肩書きをポジティブに捉えているということだけはハッキリしています。
――今の生活圏のご近所さんたちにバレて生活しづらいなんてこともありませんか?
川上:全くないですね。実は、近所に私のファンが住んでるっぽいんですよ。子どもを連れて擦れ違った時に「あっ!」って顔をされたんですけど、何回目かでさり気なく「お疲れ様です」って声を掛けられたんです。そういう絶妙な距離感がなんとも気持ちが良いというか。
――もはや
セクシー女優だからといって、周囲が騒ぎ立てる時代ではない?
川上:今って多様性の時代だからこそ、みんな良い意味で察してくれているんだと思いますよ。以前お子さんを生んだ
セクシー女優さんが、「周りにはぜんぜん気づかれてない」って言っていましたけど、絶対に気づかれてはいるんですよ。でも、敢えて何も言わないよう空気を察しているだけ!
ぶっちゃけ現役で尖っていた頃は、そういうお察しにイラっとしたこともあるんですけど(笑)。今は素敵なことだなと思えるようになりました。
◆出産後に性への捉え方が180度変わった
――子どもを産んで最も変わったと思うところは何でしょうか?
川上:性行為についての捉え方ですね。改めて考えてみると、私はすごく性のことを疎かにしていたような気がするんですよ。
現役だった頃の私は、撮影にしてもプライベートにしても、「ちょっとストレス発散してくるわー!」のノリで性行為をしていたんです。でもきっと、それがないと生きていけない時期でもあった。ただ、上手くは言えないのですが……今は
考え方が180度変わったように思います。
――今の川上さんにとっての性行為とは?
川上:オプションみたいなものだと思っています。あったらあったで幸せだけど、それ以上に幸せなことがこの世にはあるんだって知りました。自然の摂理として性行為が出来ないこともあるのもわかったし、手を繋いだりキスしたりするだけでも幸せだと考えています。