次々と報道される有名人の
結婚離婚。その背景にある心理や世相とは?
夫婦関係を長年取材し『夫の不倫がどうしても許せない女たち』(朝日新聞出版)など著書多数の亀山早苗さんが読み解きます。(以下、亀山さんの寄稿)
◆古谷徹(70歳)37歳年下女性と不倫
“レジェンド
声優”である古谷徹氏(70歳)が「娘と同世代の女性との不倫」で世間を揺るがしている。
古谷氏といえば、年配の人には「星飛雄馬」としてすぐにわかる
声優だろう。児童劇団で芸能活動を始め、芸歴は60年を越え、ずっと第一線で活躍してきた稀有な存在だ。
◆古谷のファンサービスにはバックハグでの写真撮影、添い寝も
最近では「名探偵コナン」の安室透というはまり役に
出会い、
声優人生でもっとも人気を得たキャラクターだと本人も認めていたという。既婚者の彼が、ファンである37歳年下のA子さんに自分からショートメールを送って誘ったのは2019年1月(『週刊文春』5月23日発売号より)。
ちなみに
声優の
イベントというのは、ファンの信じられないような熱狂に支えられている。
声優はすでに
アイドルなのだ。
古谷氏ももちろん、熱狂的ファンが多く、そんなファンの思いに応えるように、「彼のファンサ(ファンサービス)はすごい」と言われるほどサービスに努めていたようだ。ふれあいと称した
イベントでは、ハグはもちろん、バックハグでの写真撮影、添い寝もあったというから驚く。
そんな
声優への思いを託して、同じ映画を
声優応援のために50回、100回と観るファンもいるのだという。熱狂が熱狂を生む世界になっているのだ。
◆
離婚するつもりがない古谷ともめごとが多発、暴力も
そんな
声優から誘われたら、A子さんでなくてもファンなら飛び上がるほどうれしいだろう。憧れの王子様に選ばれた女性になったのだから。
一方で、冗談交じりであっても「モテたい」と公言していた古谷氏にとっても、「37歳年下のかわいい女性」からモテたら舞い上がるのは当然かもしれない。
文春報道によれば、メールから1ヶ月後、ふたりは対面。食事をしてカラオケに行った。そして翌月は映画関連の
イベントに出場するため地方にいた古谷氏と、その
イベントに客として参加しようとしたA子さんの間に「関係」が生まれる。
かくしてふたりはつきあうようになった。ひとり暮らしのA子さんの
部屋に、古谷氏は通った。だが、A子さんは思いが募(つの)り、
結婚を望んでいたようだ。古谷氏は「好きだ」といいながらも、
離婚するつもりはなかった。ふたりの関係についてはもめごとが多発したようだ。
そもそも
結婚願望のある女性に不倫は向かない。男性も、女性に
結婚願望があるかどうかいち早く見抜くことが必要だ。
だが、このふたりはそんなことも考えず、深みにはまっていったのだろう。そして揉めたときに、古谷氏が彼女に暴力をふるった。文春の取材に対しA子さんは「拳で殴られた」と言い、古谷氏は「平手だ」と違いはあるが、暴力があったことは認めている。
◆堕胎を要求し「本当にオレの子?」
この事件が起こったのは古谷氏の別荘だ。別荘に不倫相手を招くとなると、家族にバレてもいいと腹をくくっていたのかと思うが、そういうことではなかったようだ。
人目につくのを恐れたから別荘になったのか、あるいは自分の私生活的な空間に彼女を招きたかったのか……。人目につかない
ホテルなどいくらでもあるはずなので、別荘に連れていくとなると、自分はそれだけ彼に近い人間になったと女性側は思うだろう。
その思いがさらなる情熱を呼び起こすのは自明の理。そのときは
警察まで来る騒ぎとなったようだ。