シンガポール航空(Singapore Airlines)Q321便は21日、ロンドンをたって約10時間後にミャンマー上空の高度1万1300メートル付近で突然、激しい乱気流に遭遇。急上昇と急降下を数回繰り返した。
ある乗客によると、機内では天井がへこむほど人々が激しく飛ばされ、数十人が頭部を負傷した。公開された写真には、食べ物や飲料ボトル、荷物が散乱し、天井から酸素マスクがぶら下がる機内の様子が捉えられていた。
乗客211人、乗員18人を乗せた同機はタイ・バンコクのスワンナプーム国際空港(Suvarnabhumi International Airport)に緊急着陸。バンコクのサミティベート・シーナカリン病院(Samitivej Srinakarin Hospital)は同日夜、71人が搬送され、うち6人が重傷だと発表した。
亡くなった男性は英ブリストル(Bristol)近郊のミュージカル劇場で責任者を務めるジェフ・キッチンさんと判明した。
一夜明けた22日朝、乗客131人、乗員12人を乗せた救援便がシンガポールのチャンギ空港(Changi Airport)に到着。家族や親族に出迎えられたが、乗客は全員恐怖におびえた様子で、待機していた報道陣に応じることはできなかった。
英国人の乗客アンドリュー・デービスさんは英BBCラジオに対し、機体が「突然急降下」し、事前の「警告はほとんどなかった」と証言。「落下中の数秒間に恐ろしい叫び声とドスンという音がした」と言い、「頭に深い傷を負って叫んでいた」女性を助けたと述べた。
また、BBCのポッドキャストでは墜落すると思ったと話し、「今、機内(で起きたこと)を思い返すと、明らかに人の頭がぶつかって天井が大きくへこんでいた」と説明した。機体はシートベルト着用サインが点灯した瞬間に「突然急降下した」という。
他方で搭乗していた息子から、これから緊急着陸する「クレイジーな便」に乗っているとメッセージが届いたという女性は「怖かった。何が起こっているのか分からなかった。息子が生きているのかどうかも分からなかったし、本当に神経がすり減った。人生で一番長い2時間だった」とBBCに当時の心境を語った。
【翻訳編集】AFPBB News
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