コンピューターやプログラミングに関するナレッジコミュニティのStack OverflowがChatGPTを開発するOpenAIと提携し、ChatGPTが回答にStack Overflowに投稿された検証済みの技術的知識を利用できるようにすることを発表しました。この決定を受けて一部のユーザーが、自身の回答がスクレイピングされないように内容を削除した結果、Stack Overflowからアクセス禁止処分を受けたことが報じられています。
Stack Overflow and OpenAI Partner to Strengthen the World’s Most Popular Large Language Models - Press release - Stack Overflow
https://stackoverflow.co/company/press/archive/openai-partnership
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Stack Overflow bans users en masse for rebelling against OpenAI partnership - users banned for deleting answers to prevent them being used to train ChatGPT | Tom's Hardware
https://www.tomshardware.com/tech-industry/artificial-intelligence/stack-overflow-bans-users-en-masse-for-rebelling-against-openai-partnership-users-banned-for-deleting-answers-to-prevent-them-being-used-to-train-chatgpt
![](https://image.news.livedoor.com/newsimage/stf/5/e/5ef36_88_9a2ebc3d25d503b8f9312f00fc150237.png)
Stack OverflowはOpenAIと連携し、Stack OverflowのAPIを介して検証済みの技術的知識をOpenAIから簡単にアクセスできるようにすることを2024年5月6日付けで発表しました。この提携により、ユーザーがChatGPTに技術的な質問を入力すると、ChatGPTがStack Overflowの技術情報のアーカイブにアクセスし、関連のある回答や情報を参照することができるようになります。同時に、Stack Overflowは自社で開発する生成AI・OverflowAIにOpenAIのAIモデルを利用し、パフォーマンスを最大化するとのこと。
Stack Overflowのプラシャンス・チャンドラスカールCEOは「OpenAIとの業界をリードするパートナーシップを通じて、私たちはコミュニティ、クラス最高のデータ、AI エクスペリエンスの力を通じて効率とコラボレーションを促進し、開発者エクスペリエンスを再定義することに努めます」とコメントしています。
しかし、Stack Overflowのユーザーの中には自分の回答がChatGPTに利用されることを快く思わない人も存在していると、IT系ニュースサイトのTom's Hardwareが報じています。
Stack OverflowユーザーのBen氏はStack Overflowの決定を受けて、自身が投稿した過去の回答を削除しようとしました。しかし、Ben氏の回答は多くの好評価を受けた回答で削除することができなかったとのこと。そこで、Ben氏は「なぜOpenAIは私の仕事から利益を得ようとするのか?」というOpenAIに対する批判に書き換え、回答内容を削除しましたが、すぐに元の投稿に書き直されたそうです。
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さらに、Stack Overflowからは「投稿の削除が大きな混乱を招くため、あなたのアカウントは7日間停止にしました」というメッセージが届いたとのこと。
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Ben氏はMastodonで「EU一般データ保護規則(GDPR)に基づき、私の質問と回答の永久削除を要請します」「どんなプラットフォームに投稿したいかなるコンテンツでも利益のために用いられる可能性があるということをお知らせします。DiscordやTwitterなどのすべてのメッセージが収集され、モデルに入力されて販売されるのは時間の問題です」と述べています。