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ロバート秋山らNHK大河で注目「芸人は芝居がうまい」説!その理由は“ゴールの明快さ”にアリ
「芸人は芝居うまい説」拡大の訳
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ちなみに安井は現在『アンメットある脳外科医の日記』(カンテレ)で病院の院長を鮮やかに演じている。
万人が瞬時に理解できる記号的な表現を磨きあげる。この考え方に近いと思えるのが、ロバート秋山であろう。『光る君へ』の実資は、秋山がいろいろな職業の特徴を見事に演じる企画『クリエイターズ・ファイル』のひとつのようで、好意的に受け入れられている。
1月期、福田麻貴(3時のヒロイン)が『婚活1000本ノック』(フジテレビ)でヒロインを演じて話題になった。婚活する女性のリアリティーがあって女性視聴者の共感を得ると好感触だった。
以前なら、こんな人は実際にはいないというような理想のヒロイン像を、憧れのキラキラのアイドルやザッツ女優が演じていたが、昨今は、もっと身近な雰囲気が親しまれる。そういうときに、お笑い芸人は最適なのだ。
生活者のリアル表現の最高峰といっていいのが原田泰造であろう。
同じく1月期の『おっさんのパンツがなんだっていいじゃないか』(フジテレビ)で彼が演じたのは、昭和の価値観に縛られた人物。家でも会社でも煙たがられているおじさんの放つ昭和の暑苦しさから、おずおずと思慮深い人物にアップデートしていく変化の表現は、若い世代も受け入れようとする歴史的建造物のようなムードがあった。
◆堀部圭亮、塚地武雅、今野浩喜、朝ドラで役の特徴をはっきり押し出せる演者が活躍
現在放送中の朝ドラ『虎に翼』(NHK)に、自白を強要するこわ〜い検察官役で出演している堀部圭亮も、以前は芸人(や構成作家)もやっていたが、いまや俳優としか思えない。朝ドラだけでも、『カムカムエヴリバディ』の荒物屋の主人(とその息子の二役)や『花子とアン』の堅物アナウンサーなど、シリアスな役もユーモラスな役も自在に演じている。
法律事務所所長・雲野役を演じる塚地武雅もかなり俳優色が強い。森田芳光監督の映画『間宮兄弟』では多くの賞を受賞している。コント番組『LIFE!』にも欠かせない芝居のできる芸人と信頼度が高い。
朝ドラのような老若男女が見る番組だと、やっぱり役の特徴をはっきり押し出せる演者が重宝されるのだろう。今野浩喜も朝ドラで重宝されている印象だ。
◆男性ブランコの俳優業にも期待
さて、これから俳優業にも期待したい芸人は誰だろうか。2021年キングオブコント準優勝、2022年M-1グランプリファイナリストになった男性ブランコの浦井のりひろと平井まさあきを挙げたい。
彼らは、第170回直木賞を受賞した万城目学のデビュー作を原作にした『鴨川ホルモー、ワンスモア』(脚本・演出:上田誠〈ヨーロッパ企画〉)に男性ブランコが俳優として参加した。
『鴨川ホルモー、ワンスモア』は万城目の『鴨川ホルモー』とその外伝的続編『ホルモー六景』を原作にした、京都の大学生が千年もの歴史ある謎の競技・鴨川ホルモーを繰り広げる青春群像コメディだ。
中川大輔、八木莉可子、鳥越裕貴、清宮レイ(乃木坂46)、佐藤寛太など若手俳優たちのなかに上田誠の主宰する劇団ヨーロッパ企画の面々と男性ブランコやお笑いコンビ・かもめんたる(岩崎う大と槙尾ユウスケ)が参加して、フレッシュさと技巧がうまく混ざった座組で密度が濃い、ノンストップの2時間だった。
浦井は京大青竜会メンバーで双子の三好兄弟の弟を演じ(兄役はヨーロッパ企画・角田貴志が演じた)、双子あるあるで盛り上げた。相方とは違う俳優とのコンビ芸のようなことを行う器用さに唸(うな)った。
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