サプライヤピラミッドという手法はサプライヤの評価に基づき、サプライヤを推奨先、一般、非推奨などに区分する手法であり、欧米企業は、サプライヤの改善や推奨先との関係性強化を
目的に、このような手法を取り入れることが一般的だった、と言えます。
一方、日本企業はサプライヤ評価はISOの規定に入っているので、義務的にやっているものの、便宜的にやっているだけ、といった状況にありました。
このように3つのマネジメントの発展経緯など、それぞれ異なった発展をしてきましたが、現状は日本企業も欧米企業も共通して、これらの3つのマネジメントを連携をしていくことがマストとなってきています。
具体的にはカテゴリー毎の戦略に基づき、サプライヤ戦略を策定し、関係性強化すべきサプライヤを明確にし、それを行う。評価の改善が求められるサプライヤとは、課題を共有し、改善を進めていく。また、カテゴリー毎のユーザーを明確にし、彼らのニーズを吸い上げ(VoC)それを満たすためのサプライヤ選定やサプライヤ評価につなげる、また優れたサプライヤの提案やサプライヤそのものの採用をユーザーに働きかけて、実現する。
こういった3つのマネジメントの連携で、カテゴリー戦略の実現につなげていくことが求められているのです。
昨今では、サプライチェーン全体での競争力強化のために、従来のQCD最適化だけでなく、CSRや紛争鉱物関連、人権DD、SCOPE3でのカーボンニュートラルの実現、その他の化学物質調査、サステナビリティの確保など、サプライチェーン全体での情報収集、管理、統制などが求められており、従来のような、サプライヤを評価して、格付けしていくようなサプライヤマネジメントから、サプライヤ全般のマネジメントの重要性が増してきています。
そういう意味では、事業環境や社会環境の変化で3つのマネジメントの中でもサプライヤマネジメントの重要性が、より高まっていると言えるでしょう。
メルマガでも発信してきましたが、サプライヤマネジメントは、戦略的なサプライヤマネジメントが求められ始めています。特にこの点については、従来の延長線上の施策や手法では限界があり、新たな手法が求められているでしょう。次回はこのような一歩先を行くサプライヤマネジメントのあるべき姿について今後の動向を含めて述べていきます。