年に一度の大儀典で、最強の魔術師を目指して質料(マテリア)を集め、呪文書の完成や使い魔の召喚を目指すボードゲーム「宵と暁の呪文書(SpellBook)」の日本語版がホビージャパンから2023年9月に登場しました。「ゲームの根幹は遊びやすくシンプルでありながら、戦略性とリプレイ性の高いゲーム」になっているとのことで、実際にGIGAZINE編集部員4人でプレイしてみました。
宵と暁の呪文書 | ANALOG GAME INDEX
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「宵と暁の呪文書」のパッケージはこんな感じ。
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プレイ時間は45分、対象年齢は12歳以上、プレイ人数は1〜4人を想定。
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箱を開けるとルール説明書。古い魔術書の表紙のようなデザインです。
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ゲームに使うボード類は厚紙製。カッターを使わなくても簡単に取り外すことができます。
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ゲーム中に使う廃棄箱は組み立てる必要があります。固定にはテープ1枚が必要。
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組み立てるとこんな感じ。五角形の桶(おけ)っぽいデザインとなっています。
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使い魔ボードと祭壇ボード、開始プレイヤートークン。
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質料トークンと大渦袋。
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質料トークンは7色×3種類がそれぞれ5個ずつ、合計で105個あります。
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呪文カードは7色×12枚の合計84枚。
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呪文カードにはレベル1・レベル2・レベル3の3種類があり、カード中央にある星の数でわかります。以下はレベル1のカード。
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レベル1の呪文カードはこんな感じ。なお、右下にあるのはゲームの進行をまとめたサマリーカードで、全部で4枚あります。
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レベル2の呪文カード。レベル1と同じ色ですが、描かれているイラストや効果は異なります。
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そしてレベル3の呪文カードが以下。呪文カードはレベルごとに分けておくのがおすすめ。
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内容物は、以下のように箱にすっぽりと収納できるようになっています。
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まずはゲームの準備。廃棄箱・祭壇ボード・大渦袋を机の上に置きます。祭壇ボードに質料トークンを5つ置き、残りをすべて大渦袋に入れておきます。
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呪文カード7色とサマリーカード、使い魔ボードを各プレイヤーに配布します。なお、「初回プレイはレベル1の呪文カードでプレイするのがおすすめ」とのことで、今回はレベル1の呪文カードでプレイしてみます。これでゲームの準備はOK。
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ゲームは開始スタートプレイヤーから順番に、自分の手番を進めていきます。手番は「朝」「昼」「夜」という3つのフェイズを進めていきます。誰かが7つの呪文書すべてを作るか、使い魔ボードを完成させると、そのラウンドでゲームは終了。最終的に勝利点が一番高い人の勝利となります。
「朝」フェイズでは、「祭壇ボードから任意の質料を1つ取る」か「大渦袋からランダムに質料を2つ取る」のどちらかを実行します。ゲットした質料は自分の手元に置いておけますが、最大で9個までしか保持できないので注意が必要。
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「昼」フェイズは、手元にある質料から使い魔ボードに1つだけ質料を置いてもOK。もちろん「置かない」という選択肢もありです。使い魔ボードには数字の書かれたスペースがあり、小さい方から順番に質料を並べていきます。「16」と書かれたマスまですべて質料を置くと、そのラウンドでゲーム終了となります。
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「夜」フェイズでは、手元の質料を呪文書に置くことで、呪文を覚えます。呪文書に書かれている呪文は3段階あり、下からレベル3・レベル4・レベル5となっています。呪文を覚えるには、レベルに等しい数の質料を支払う必要があります。例えば、以下の画像は赤い呪文書の呪文を覚えたところ。一番下のレベル3の呪文を覚えるには、3個の赤い質料を支払う必要があります。手元にある赤い質料3つのうち、1つを呪文書のスペースに配置します。
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残りの質料2つは廃棄箱へ。
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呪文書で覚えられる呪文は1つだけ。ただし、レベルが高い呪文を習得すれば、下位の呪文も使用可能です。つまり、レベルが低い呪文はコストが低いので習得しやすいですが効果が弱く、レベルが高い呪文はコストが高くて習得が難しいものの効果は強力ということになります。そして、右端に描かれている黄色の盾アイコンの数字が勝利点です。
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また、どうしても同じ色の質料が足りないという時は、質料に描かれている「ルーン」というマークが同じものを3つそろえると、任意の色の質料1つとみなすことができます。例えば以下は、青色の呪文書でレベル4の呪文を覚えたい状況。そのためには青色の質料を4つ支払う必要がありますが、青色の質料3つ+「◎」のルーンが描かれた質料3つで支払いました。
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「夜」フェイズが終わったら、大渦袋から引いた質料を祭壇に補充します。質料の補充は、祭壇にある質料が5個未満の時は5個になるように、5個〜9個の時は1つ追加、10個の時はすべての質料を廃棄箱に廃棄してから5個追加します。
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この「朝」「昼」「夜」フェイズが終わったら手番を左隣のプレイヤーに移します。
ラウンド中、「朝」「昼」「夜」の各アクションの代わりに、習得した呪文を使うことも可能。例えば、以下の赤い呪文書の呪文は、左上にあるアイコンを見ると分かる通り、「朝」に使うことができます。
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効果は指定ルーンの質料を1つ捨てる代わりに質料を新しく4つ引くことができるというもの。
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緑の呪文書の呪文は「昼」に使用可能。手元の質料と祭壇の質料を入れ替えることができます。
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白の呪文書は「夜」に使える呪文が覚えられます。これは指定のルーンの質料を捨てることで、他の呪文1つのレベルを1つ上げられるというもの。一度呪文書を覚えてしまうと、高位の呪文を覚え直すことはできませんが、この白の呪文を使うことで呪文が強力になっていきます。
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白の呪文でレベルアップされたのは、「配置した質料と同じルーンの質料1つを任意の色の質料を見なすことができる」という青の呪文。この青の呪文を使って、勝利点の高い黄色の呪文書を習得することができました。こんな感じで呪文の効果を組み合わせることで、呪文の習得を加速させて勝利点を稼いでいくことが非常に重要です。
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一方、開始プレイヤーは先手であることを生かし、使い魔ボードに質料を地道に配置していく戦略を取っていました。最後まで質料を置いたラウンドでゲームは終了となります。
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最後のプレイヤーがプレイを終えたら、点数計算を行います。使い魔に質料を注ぐ戦略を取ったプレイヤーは、使い魔ボードの得点18点+コツコツ覚えた呪文の勝利点14点=合計32点でトップを記録し、勝利となりました。初回のプレイ時間はルールを確認しながら進行していたため、約1時間30分かかりました。
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今度はレベル2のセットでプレイしてみます。
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前戦で使い魔の強さを知った開始プレイヤーは、「自分も使い魔に積極的に質料を放り込んでいく」という戦略を取ります。
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レベル2の呪文書は、効果と名前がレベル1と全く異なり、より強力かつテクニカルなものとなっています。例えば以下の紫の呪文は「朝」に発動できる呪文で、祭壇から任意の質料をゲットできる代わりに、自分以外のプレイヤーに1つずつ質料を大渦袋から引かせるというもの。
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祭壇から任意の質料を3つゲット。同色3つで呪文のレベル3が覚えられるので、この紫の呪文は呪文習得をさらに加速させることができ、非常に強力。
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2回目はルールを覚えていたので、初回と比べてサクッと進み、約1時間程度で開始プレイヤーが使い魔ボードを埋めてゲーム終了。使い魔ボード18点+呪文書13点=計31点で、勝利点をかなり伸ばしました。
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しかし、勝利したのは高位の呪文を積極的に覚えていたプレイヤー。黄色の呪文レベル5が「習得した他色の呪文書1つにつき勝利点2点」という効果だったため、呪文書だけで勝利点28点を獲得。さらに使い魔ボードの得点7点を加え、合計35点で勝利しました。
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「宵と暁の呪文書」は「朝」に質料を獲得し、「昼」に質料を蓄積し、「夜」に呪文を習得してパワーアップするという流れで遊ぶゲーム、ボードゲームに慣れていない人でもすぐに覚えられるルールとなっています。各プレイヤーの情報はすべて他のプレイヤーから見えるので、先を見据えて戦略を練ることが求められる上に、大渦袋から質料を引く部分に運要素があり、シンプルなルールでありながら奥の深いゲーム性が魅力。戦略に幅があるのに加えてカードの組み合わせによって展開も大きく変わるので、リプレイ性が高く、何度遊んでも飽きないゲームだと感じました。
「宵と暁の呪文書」の希望小売価格は税込6600円です。Amazon.co.jpでも取り扱われていますが、記事作成時点では在庫なしの状態でした。
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