◆押入れから見つかった現金の総額は…
普段は家の
リフォーム業をメインとしている田村さん。ところが、仕事で付き合いのある
不動産屋や知り合いのオーナーから「亡くなった方の
部屋の荷物を片付けてほしい」と頼まれることがよくあるという。
「とある地主の男性が亡くなった際、その方の相続者の人から家の処理を依頼されました。そしたら、2千万円くらいの現金が
部屋にあったんです。その後も荷物を処分するにあたって相続者の人と一緒に
部屋の中を確認していたら、あちこちから現金が出てきたんですよ」
後から出てきたお金も、もちろん相続者が回収。隅々まで確認した後、いざ本格的な作業に入ったところ……。
「旦那さんが寝ていた
部屋の押し入れの奥から茶
箱が出てきまして。その中に鉄の缶が2つあり、それを開けたら10万円ずつまとまってるお札がズラ〜っと。思わず『あっ!』って声を上げちゃいました」
その後も、作業を進めていくと様々な場所から1万円札や千円札がいっぱいに詰まったビニール袋なども発見され、最終的には総額で約1千万円ほどになったようだ。もちろん、そのお金も相続人に渡したという。
◆今だったら億超えの品も!
これまでに現金を発見したのは1千万円が最高金額だが、それ以上に価値のあるモノが出てきたこともあるようだ。
「仕事で付き合いのある工務店が、とあるお寺さんから亡くなった母親の
部屋の処理を頼まれたとのことで、ゴミ処理担当として自分も呼ばれたんです。そこのお寺は、ご主人である
お坊さんとその奥さん、ご主人の母親の3人で暮らしていました。ただ、奥さんがご主人の母親からモノ凄くイジメられていたそうで、『大嫌いだった姑の
部屋のモノは全て処分してくれ』という依頼だったんです」
大嫌いな姑の
部屋ということもあり、見たくも触りたくもないので、一切
部屋の荷物を確認することなく田村さんたちに依頼。そんな状況で作業を開始したところ、とんでもないモノが出てきたのだ。
「1キロのインゴッド(金地金)が14枚も出てきたんですよ。当時、金の価格は1グラムで6000円くらいだったから約8千万円分。今の価格だったら億超えです。奥さんはもうニッコニコでしたよ。その時の作業料金は相当上乗せしてもらったみたいです(笑)」
◆出てくる場所には一定の傾向がある
長年この仕事をやっていると、何となく現金や高価なモノが保管されている場所が分かるようになったと言う田村さん。特に高齢の方が住んでいた家や
部屋には一定の傾向があると語る。
「2階建ての一軒家の場合、基本は1階に高価なモノがありますね。歳を取ると階段の上り下りが億劫になるので、お年寄りの
部屋って大抵1階にあるんです。それで、そのお年寄りの
部屋の中でも、手が届きやすく目が届きやすい場所。少なくとも、踏み台を使わないと届かないような高い場所にはほぼないし、タンスに入れているにしても、しゃがまないと出し入れできない下の方ではなく、立ったまま出し入れできる引き出しなんかが多いです」