今村リリィさん原作の同名コミックをドラマ化した本作は、北海道を舞台に、札幌で薬剤師として働く39歳独身の主人公・上田樹(安達)の恋模様が描かれるヒーリングラブストーリー。バンド活動をしながら、生活のため区役所の年金課に勤め、樹とひょんなことから同居することになる松重瑛斗を櫻井海音さんが、婚約者がいながら樹と交際を続ける同じ病院の医師、沢田真和を吉沢悠さんが、樹の病院に出入りする製薬会社MRの佐藤航平を小池徹平さんがそれぞれ演じ、樹と恋模様を繰り広げます。
昨年デビュー40周年を迎えた安達さんにとって、意外にも本格的な恋愛ドラマは本作が初挑戦。魅力たっぷりにヒロインを演じる安達さんに、本作の見どころや撮影の裏話などを聞きました。
演じる樹とは正反対?「私と考え方が違うところも楽しみながら」
――本作のオファーを受けた時の印象を教えてください。
この年齢でこのような役をもらえると思っていなかったので、すごく驚きました。でも演じたことのない役をやるのは面白いので、ぜひ挑戦したいと思いました。
――本格的なラブストーリーが初めてというのはすごく意外な気がします。
ドロドロした感じのものはあるんですけど、こんな風にまっすぐな恋愛ドラマは本当に初めて。自分でも驚いています。
――台本を読んだ時、どんな印象を持ちましたか。
演じる身としてはここはどうやって撮るんだろうと思うシーンもありました。そういうことをまず考えて読んでいました。でも切なさもあるし、どうしてそんなことも言えないんだろう、なんでだろうともどかしく思う部分もたくさんありました。たぶん見ている人たちもそういうものを感じてヤキモキしながら見るんだろうと想像しました。出てくる3人の男性もそれぞれ魅力があって、それぞれダメなところがある。自分だったらどうだろうと重ねながら見られるし、面白いドラマだと思いました。見始めたら夢中になれる感覚がありました。
――演じる樹に共感できる部分や共通点はありましたか。
あんまりなくて(笑)。私と全然考え方が違うところも楽しみながら撮っていました。樹を取り巻く人間関係は、彼女が生きてきた中でそうなってしまった部分もあると思うし、元々の性格もあると思うんですけど、最初の沢田先生との恋愛では、言いたいことを言えずに、なかなか心を通わせたり、ぶつかり合ったりすることができないまま、行き着くところまで行き着いてしまっている。なんでだろう……(笑)。
――樹の心情についてはどんな風に分析されていますか。
言いたいことを言えない、言うことによって自分の気持ちが重すぎて、相手にそれを伝えた時に相手がどういう反応をするだろうかとか、きっとこういう結果になってしまうだろうというのを自分で想像すると、なかなか言えないだろうなと私もその気持ちが少しわかりました。でも、私だったらたぶん言うと思いながら演じていました(笑)。
――安達さんは思ったことははっきり伝えるタイプなんですか。
はい。ポジティブなことははっきりと伝えます。一方でその関係を長く続けたいからこそ、ネガティブなことも言っておかなければいけないことがあると思うんです。それはきちんと伝えます。感情のままにということではなく、しっかり冷静に伝えるようにしています。
――第1話と第2話で好きなシーンや台詞はありますか。
タイトルの「愛しているって、言いたい」をそのまま台詞で言っているんですけど、それがすごくくすぐったくて……。見ていたらたぶん自然な場面なんだろうけど、それを撮影している時は「私、今タイトルを言っている」ってソワソワしました。本当にくすぐったかったです。