フリッツル受刑者は2009年、娘のエリーザベトさんとの間に生まれた新生児を放置して死なせた過失致死罪で有罪となり終身刑を言い渡された。さらに、自宅に特別に設けた地下室にエリーザベトさんを監禁してレイプを繰り返していたことから、3000件のレイプ、近親相姦、強制隔離、暴行などの罪でも有罪となった。
現在はウィーンの北西約80キロに位置するクレムス(Krems)で、精神疾患があり、深刻な危害をもたらす恐れのある受刑者専用の施設で服役している。
電気工だったフリッツル受刑者は1984年、当時18歳のエリーザベトさんをアムシュテッテン(Amstetten)にある自宅の地下室に監禁。周囲には、家出したと話し、2008年までレイプを繰り返して7人の子どもを産ませた。うち1人は、生後間もなく死亡した。
事件が発覚したのは、子どもの1人が病気になり、入院が必要になったことがきっかけだった。
近隣住民や階上で暮らしていた妻と他の子どもたちは、フリッツル受刑者の二重生活はもちろん、階下の防音設備が施され、窓もない地下室で想像を絶する恐怖が繰り広げられていたことには全く気付かなかったという。
エリーザベトさんと子どもたちは新しい身分を取得し、現在は非公開の場所で生活している。
フリッツル受刑者の弁護士は、今回の裁判所の移送許可に同受刑者は「感激」していると明らかにした。一方で、体力が衰え、認知症も始まっているとして、来年、釈放を申請する予定だとしている。
【翻訳編集】AFPBB News
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