ロシアではウクライナ侵攻開始後、抗議デモが禁止されている。今回のデモはそれ以降では最大規模で、異例の事態となった。
SNSに投稿された映像には、同共和国南部の町バイマク(Baymak)での衝突の様子が捉えられている。
ロシア連邦捜査委員会(Investigative Committee)は17日、「暴力を伴う大規模な集団暴動で複数の負傷者が出た。武器の使用もあった」と述べた。
デモを監視する独立系人権団体「OVDインフォ(OVD-Info)」によれば、機動隊はデモ隊を解散させるため催涙ガスを用い、数十人を拘束した。
捜査委は、デモは「集団暴動」の疑いがあるとし、刑事事件として調査を進めているとした。集団暴動で有罪となった場合、最高で懲役15年が言い渡される可能性がある。また、公務員に対する暴力では最高で懲役5年が科される。
デモのきっかけとなったのは、環境や少数言語のバシキール語の保護に取り組む活動家に対し、バイマクの裁判所が懲役4年の有罪判決を言い渡したことだ。判決は非公開で下された。
活動家は人種差別的な発言で罪に問われていたが、本人はバシキール語から
ロシア語へ翻訳に際して誤訳されたと主張していた。
活動家は昨年にも、ウクライナ侵攻に関して
ロシア政府に批判的な発言をしたとして罰金刑が科されている。
地元メディアによると、当時、政府による軍への動員は「バシキール人に対するジェノサイド(集団殺害)」だとし、侵攻は「われわれの戦争ではない」と語ったとされる。
実際、複数の調査で、
ロシアではバシキール人など少数民族からの動員および戦死の割合が突出しているとの結果が示されている。
【翻訳編集】AFPBB News
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