1年前(22年冬、「昨シーズン」)の4143円に比べて325円、率にして7.8%の値上がりとなった。本格的な
値上げラッシュが始まる前の21年冬シーズンに比べると、529円・13.4%の値上がりとなり、
クリスマスケーキは2年間で1割超の大幅
値上げとなった。
前年から価格が上昇した
ケーキをみると、
値上げ幅として最も多いのは「500円以上」と「300円未満」で、それぞれ20社に上った。500円以上の
値上げは百貨店や洋菓子店において主力となる4000〜5000円台の中高価格帯
ケーキで、300円未満の
値上げは量販店やスーパーなどで販売される3000円台の
ケーキに多くみられた。以下「400円未満」(18社)、「200円未満」(14社)、「500円未満」(9社)と続き、調査対象の100社の
ケーキのうち、昨シーズンから前年から価格が上昇した
ケーキは81社に上った。
ただ、500円以上
値上げした企業は昨シーズンに比べて倍増した一方、
値上げ幅を「200円未満」に抑えた企業は14社・10社減となるなど、大幅
値上げを決断した
クリスマスケーキが目立った。
原材料価格の高騰が大きく影響、イチゴは最大1.5倍のケースも
2023年の
クリスマスケーキは、昨シーズンに続き原材料価格の高騰による影響を大きく受けた。
ケーキの原材料価格(店頭販売ベース)をみると、スポンジの原料となる小麦粉(強力粉)の価格は比較的落ち着いた水準で推移した。しかし、春先の「エッグショック」以降、価格が高止まりする鶏卵、砂糖や牛乳など、主要原材料の多くが足元で前年比1.2倍前後の
値上げとなったほか、猛暑による植栽遅れといった影響を受けたイチゴは最大で1.5倍超に高騰している。
さらに、12月には大手乳業メーカーでバターが一斉
値上げとなり、一層のコストアップが見込まれる。食材以外にも、テイクアウト用の化粧箱や食品フィルムなどの資材費、電気・ガス代、人件費も高騰しており、昨年よりも原材料価格高騰分を上乗せして値付けする
ケーキが多い要因となっている。
4年ぶりの「平常」クリスマス 消費者の購買意欲アップに期待も「値上げ疲れ」懸念
クリスマスケーキの平均価格は前年から300円超アップし、前年を上回る
値上げとなった。2022年冬シーズンは原材料価格の動向が見通しづらく、
値上げ幅を小幅に抑えたケースが多かった。ただ、今シーズンは「例年通りの価格では利益が見込めない」といった声も聞かれ、ほぼ全ての原材料で価格が高騰したことも、大幅な
値上げを後押しした。加えて、4年ぶりにコロナ禍の制限がない
クリスマスを迎え、消費者の財布が緩むことを期待した「値付け」も多いとみられる。
一方で、今年1年間で
値上げされた食料品はバブル崩壊以降で最大級の3万品目超えとなり、家計では月3700円分の食費「節約」に動くなど、
値上げへの抵抗感は昨シーズンに比べて強まっている。足元では他の食料品同様、
クリスマスケーキでも高額品の買い控えや低価格品への人気集中といった「
値上げ疲れ」の兆候も一部で聞かれ、大幅な
値上げが消費者に受け入れられない可能性もあり、今シーズンのおける
ケーキ商戦の成り行きが注目される。