ZoomやTeamsなどを用いてオンライン会議に臨んだ際に通常の作業とは種類の異なる疲労感に襲われた経験がある人は多いはず。オンライン会議による疲労は「
Zoom疲れ」という俗称で知られていますが、新たに脳波検査や心電図検査を用いた研究によって
Zoom疲れが実在することが確かめられました。
Videoconference fatigue from a neurophysiological perspective: experimental evidence based on electroencephalography (EEG) and electrocardiography (ECG) | Scientific Reports
https://www.nature.com/articles/s41598-023-45374-y
Zoom Fatigue is Real, According to Brain Scans - IEEE Spectrum
https://spectrum.ieee.org/zoom-fatigue
![](https://image.news.livedoor.com/newsimage/stf/7/e/7ebd3_88_d7880b04cf4d92f7bb3f26dc82c8cf31.png)
新型コロナウィルスの感染拡大に伴ってオンライン会議ツールの需要は一気に拡大しましたが、同時にオンライン会議に起因すると思われる疲労「
Zoom疲れ」も報告されるようになりました。2020年4月時点でのzoom疲れに関する知見は以下の記事にまとまっています。
新型コロナウイルスの流行による外出規制で人々が「
Zoom疲れ」に陥っているとの指摘 - GIGAZINE
![](https://image.news.livedoor.com/newsimage/stf/2/c/2cfb8_88_cce570ae914f430a9a20234ff04011e8.jpg)
研究チームによると、
Zoom疲れの存在はオンライン会議ツールのユーザーらによる報告によって確認されていたものの、神経学的には存在を確認できていなかったとのこと。そこで、研究チームは脳波検査と心電図検査によって
Zoom疲れの存在を確認することにしました。
研究チームが35人の被験者を対象に「オンライン会議ツールを使って大学の講義を受講しつつ脳波検査およに心電図検査を実施する」という実験を行った結果、講義開始から50分で「疲労に関連する波形」が検出されました。研究チームは対面授業に参加した対照群との差を根拠に「オンライン会議ツールは特有の疲労を引き起こす」と結論付けています。
なお、研究チームはオンライン会議ツールの使用を完全に控えることは非現実的と指摘し、疲労を緩和するために30分ごとに休憩時間を設けることを提案しています。