ビデオリサーチが06年10月2日に発表したところによると、巨人戦の今季開幕平均世帯視聴率(関東地区)は9.6%で、初の1ケタを記録した。8月には
フジテレビが地上波中継を中止し、
日本テレビの久保慎太郎社長でさえ、9月25日の会見で「(中継のあり方を)今季終了後に分析する」と、中継の大幅縮小を示唆している。
 この「巨人戦中継縮小ブーム」、巨人の球団経営にも、無視できない影響を与えそうだ。「
アエラ」編集部の推計だと、03年の巨人軍の収入約214億円のうち、放映権料が占めるのは70億円。大きな屋台骨であることには間違いない。
巨人戦縮小の影響は、ローカル局にも飛び火
 実は、巨人戦縮小の影響は、巨人戦を中継しないローカル局にも飛び火している。
 仙台の放送局が楽天戦を放送するために使っている方法のひとつが、キー局からネットされる巨人戦を放送せずに宮城県ローカルで楽天戦を放送する「差し替え放送」だ。巨人戦の全国ネット枠が縮小されると、全国ネットの野球中継以外の番組を楽天戦に差し替えるのが難しく、ナイターの時間帯に楽天戦を流せなくなるのだという。これは、通常番組と野球中継では視聴者層が異なり、スポンサーが番組の差し替えを許さないためだ。
 東北地方のブロック紙「河北新報」が06年10月5日にこう報じている。
 9月28日の会見では、テレ東の菅谷社長は「(順位が放映権料に直結する制度を導入すれば)ジャイアンツも発奮するのでは」とも発言している。巨人の経営陣や、巨人戦以外の野球中継を待ち望んでいる地方の野球ファンのためにも、原監督は順位を上げるしかない!