AI技術を応用したソフトを開発するクリムゾンテクノロジーが、AIリアルタイムボイスチェンジャー「Voidol3」を2023年9月8日にリリースしました。Voidol3はシンセサイジングによるボイスチェンジャー「SYNTHモード」とAIリアルタイム声質変換が可能な「AIモード」を搭載し、さらにその両方を連結したリアルタイムの声質変換も可能というのが特徴。今回はVoidol3のAIモードによるボイスチェンジャーと、AIモードとSYNTHモードの連結を実際に試してみました。
Voidol3 | 変幻自在の声質変換 | クリムゾンテクノロジー株式会社
https://crimsontech.jp/apps/voidol3/
![](https://image.news.livedoor.com/newsimage/stf/d/7/d7edf_88_c6b652430bb766a3f4b43a449380f069.png)
Voidol3のセットアップ手順とSYNTHモードを使ってみた様子は以下の記事から見ることができます。
誰の声でも簡単・リアルタイムで女声・男声・ささやき声などへ自由自在に変換できる「Voidol3」のSYNTHモードを使ってみたよレビュー - GIGAZINE
![](https://image.news.livedoor.com/newsimage/stf/6/b/6be9b_88_42ea4ecb392f69951c3962ff2ee753cf.png)
Voidol3の中央にあるのが、AIモードの設定パネルです。
![](https://image.news.livedoor.com/newsimage/stf/d/0/d0405_88_78aac45dad761ef577c1a19c9c5c6044.png)
AIモードでは、まず入力する声に合わせたナレーター設定を選択します。
![](https://image.news.livedoor.com/newsimage/stf/7/e/7e733_88_e9c78379c2d7a9586ab715776aa819ba.png)
次に、声を変換するAIモデルを選択。AIモデルはデフォルトで、以下の13種類が収録されています。
![](https://image.news.livedoor.com/newsimage/stf/9/b/9bac1_88_c521269cf8b599c110189d3c61d32b53.png)
以下のムービーでは、変換前の声とAIモデル13種類で声を変換してみた結果が確認できます。SYNTHモードでは自分の声に合わせて細かく設定を変更して調整をしますが、AIモードは入力音声を学習した声質に自動で変換します。ただし、細かい設定がない分、音質のいいマイクや録音環境を準備したり、発音をより意識したりする必要があります。
AIによるリアルタイム声質変換が可能なVoidol3のAIモデル13種類で声を変えてみた - YouTube
AIモードは「あらかじめ学習した声質に変換する」という仕組みなので、声質によってAIモデルとの相性が存在します。Voidol3は「SYNTHモードとAIモードを組み合わせることが可能」というのが大きな特徴で、「自分の声をAIで変換する前にSYNTHモードで調整する」など、よりAIモードでスムーズに変換するように設定することができます。例えば、以下の画面はSYNTHモードとAIモードがどちらもオンになっている状態で、さらに2つのボタンの間にある矢印が右向きになっています。これは「入力した音声がSYNTHモードで変換されたあと、さらにAIモードで変換される」ことを示しています。
![](https://image.news.livedoor.com/newsimage/stf/9/0/903ce_88_59a002677ad8c53f408190ed15f969e9.png)
実際にSYNTHモードで変換してからAIモードで変換する様子を、以下のムービーで見ることができます。男性編集部員の声をSYNTHモードでピッチを高くし、さらにAIモードのナレーター設定を「女性1」にした上で、女性AIモデルの「華園ことね(CV 田村智華)」で変換しています。
AIリアルタイムボイチェンソフト「Voidol3」でSYNTHモードからAIモードで二重に声質変換してみるとこんな感じ。 - YouTube
また、SYNTHモードとAIモードの間にある矢印をクリックして逆の向きにすることで、「AIモードで変換した声をSYNTHモードで変換する」という連結も可能です。
![](https://image.news.livedoor.com/newsimage/stf/b/d/bda97_88_2a24de9018c3b2480245184120ddc079.png)
以下のムービーは、AIモードで「ジャック・フロウ(CV 笹井崇裕)」のモデルを使って男性編集部員の声を変換し、さらにその声をSYNTHモードでピッチとフォルマントをわずかに変えてみたところ。ムービーでは二重に変換していることもあり、声質がややケロケロとした感じになっていますが、AIモードとSYNTHモードを重ねることで音程の高低や声質をかなり幅広く調整できます。
リアルタイムボイスチェンジャー「Voidol3」で声をAIモードで変換してからSYNTHモードでさらに変換する - YouTube
画面の最下部には、AIモードとSYNTHモードを組み合わせた音声変換のプリセットが登録可能で、アイコンをクリックするだけでお気に入りの音声変換の設定を呼び出すことができます。デフォルトでも大量のプリセットが用意されているので、一から音声変換の設定を構築する必要はありません。
![](https://image.news.livedoor.com/newsimage/stf/d/1/d1af0_88_90e51a781a191f40a2397be80e3365e6.png)
もちろん発音や発声などの話し方や録音する機器や環境によって変わりますが、Voidol3ではAIモードとSYNTHモードの2つを組み合わせることで、本来の声とはまったく違う声に変換することが可能になります。Voidol3はUIが全体的にシンプルで直感的に操作できるので、初心者でも簡単に扱うことが可能。さらに細かい調整やリバーブ、サウンドファイル登録によるジングル挿入など、サウンドインターフェースソフトウェアとしても基本的な性能を搭載しており、インストールして出入力デバイスの設定をすれば、複雑な設定をしなくてもすぐに使えるのもポイントです。
Voidol3はWindows版とmacOS版がリリースされており、Amazon.co.jpで税込2万9700円で購入可能です。
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![](https://image.news.livedoor.com/newsimage/stf/d/c/dca77_88_f8f5bcfbb57596b801ba5bdd934b0647.png)
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