この決断を批判したのが、母国ブラジルのカイク・アンドラーデ記者だ。同国の大手メディア『Globo』に寄稿したコラムの中で、「アル・ヒラル行きは
ネイマールのキャリアに永遠の汚点となる」と糾弾している。
同記者は「ブラジルのスターは否定できない功績を残している」とこれまでのキャリアを認めたうえで、「31歳で欧州サッカー界を離れてサウジアラビアでプレーするということは、彼がすでに達成してきたものをはるかに超える現実の可能性から遠ざかることを意味する」と指摘した。
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ネイマールのような天才は、ヨーロッパサッカーの最高レベルでトロフィーや賞を積み上げ続ける立場にある。これが可能かどうか自身の選択によって決まる。そして、キャリアに大きなマイナスの痕跡を残す可能性がある」
【動画】アル・ヒラルのユニホームを着用したネイマール 記事は「
ネイマールのパリSG移籍も成功とは言えない」とバッサリ。「シーズン平均28.8試合に出場したが、チームの主力選手としては非常に低い数字だった。怪我が邪魔をした」として、こう続けている。
「フランスのタイトルはファンにとってほとんど意味がない。そして切望されたチャンピオンズリーグのトロフィーは手に入らなかった。あれほどの混乱があった6年間を経て、パリSG退団の決断はもっと早くあるべきだったかもしれない」
そして、望んでいたバルセロナへの復帰が叶わなかった事情に触れつつも、「31歳でサウジアラビアに行くという選択肢はあり得ない」と指弾。「ヨーロッパの別のクラブで良い結果が得られるまでウィンドウの終わりまで待つか、最後の手段としてパリSGに残ることは、間違いなくより良い決断となっただろう」と綴り、こう締め括っている。
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ネイマールがアル・ヒラルで受け取るのはパリSGで稼ぐ額のほぼ2倍であり、大多数の人間にとっては想像を絶する給料だ。だが、キャリアの構築と奉献が優先事項であれば、サウジアラビアには行かないだろう」
ブラジル人として
ネイマールを愛し、まだ第一線でプレーできると考えているからこそ、最高峰の舞台から去ってしまったのが、残念でならないのだろう。
構成●サッカーダイジェストWeb編集部