ソーシャルVRプラットフォームの「VRChat」と成人向けサブスクリプション型SNSの「Fansly」を活用したアダルトコンテンツの配信を行っている女性が、「売春をしている」としてアメリカへの入国を拒否されたと報じられています。
A Virtual Reality Sex Worker Was Denied Entry to the U.S. for ‘Prostitution’
https://www.vice.com/en/article/z34p5a/a-virtual-reality-sex-worker-was-denied-entry-to-the-us-for-prostitution
この事例でアメリカへの入国を拒否されたのは、VRコンテンツの配信で生計を立てているHexさんです。オンラインセックスワーカーとして活躍しているHexさんは、VRChatでショーやパフォーマンスを行っており、また画像や動画をFanslyに投稿して収入を得ています。なお、VRChatは利用規約で「性的に露骨な性質のコンテンツや性行為をシミュレートするコンテンツのライブ ストリーミング、広告、公開は許可されていません」としています。

イギリス在住のHexさんは2023年に入り、アメリカに住んでいる友人を訪ねて旅行する計画を実行に移すため、観光ビザを申請していました。しかし、1月下旬になると、Hexさんの元に「売春に従事しているため入国を永久に許可しない」との通知が届きます。
通知を受け取ってショックを受けたHexさんは、思わず「これは一体何?こんなことは有り得るの?私がやっていることは完全に合法なのに」と口走ってしまったそうです。
ニューヨークを拠点に非営利で法律サービスを提供している団体・Urban Justice Centerのセックスワーカーズプロジェクトで移民関連法の責任者を務めているクレメント・リー氏によると、同国の移民関連法では複婚や薬物乱用と並んで、「売春を働くこと」が入国不許可の事由とされているとのこと。

オンラインセックスワークは、性行為の前提条件である身体的接触を伴わないため、それだけでビザの発給制限にあたる可能性は低いとされています。しかし、売春を行った事実がない場合でも、移民局や国務省が「オンラインセックスワークを行う人は対面でのセックスワークを行うかもしれない」と推測して売春への従事を理由に入国を拒否することが法的には可能です。
リー氏は「弁護士である私たちなら、クライアントのセックスワーカーとしての経歴が、移民局の狭量で時代遅れなセックスワークの定義と一致していないことを指摘できます。しかし、空港や入国管理局で足止めされた場合など、弁護士のいない状況で圧力をかけられて入国できなかったという人もいます」と話しました。
Hexさんも、入国管理局で理不尽な屈辱を味わわされたセックスワーカーのひとりです。Hexさんは入国の許可を求める面談で、「VRChatというのはVRゲームで、私はVRヘッドセットを使っています」と説明しましたが担当者の女性は理解しておらず、汚い物を見るような視線をHexさんに投げかけたとのこと。また、担当者が「サイト上でこれらの人々と会うのですか?」と尋ねたのに対し、Hexさんは「絶対にありません」と答えましたが、前述の通り最終的にHexさんは
入国拒否を決定する通知を受け取ることになりました。
通知を受け取ったHexさんはTwitterで、「FanslyやOnlyfansをやっている非アメリカ国籍の人で、アメリカに行こうとしている皆さん、幸運を祈ります。私は『売春婦』であることを理由に、入国を永久に拒否されてしまいました」と報告しました。