他国が2歳年上のU-23世代でチームを編成している側面を考慮しても、準々決勝が一つの壁として立ちはだかってきた。この敗北がチームに成長のきっかけをもたらしてきたはずだが、負けていい試合などひとつもなく、さらに試合を重ねて経験値を高めることが選手の成長スピードを加速させるのは間違いない。
準々決勝で敗れてきた先輩たちと同じく、今回のU-21日本代表も準々決勝は厳しい組み合わせとなった。ウズベキスタンで開催されているU-23
アジアカップで、日本はグループステージを2位で突破。ノックアウトステージに進み、4強入りを懸けて戦う相手は、日本の最大のライバルである韓国に決まった。
相手はU-23チームで編成されており、最年長の世代は2019年のU-20ワールドカップで準優勝した実績がある。MFオム·ウォンサン(蔚山)はA代表の活動に参加しており不在だが、久保建英の同僚でもあるイ・ガンイン(マジョルカ)などの海外組も3名招集されており、優勝候補の一角を担う強力なチームと見ていい。
また、かつてC大阪や柏で活躍したファン・ソノン監督が率いる韓国は、緻密な攻撃を仕掛けてくるスタイルを志向している点も注目すべきポイント。4−3−3をベースにボールを運びながら、複数の選手が絡んでサイドや中央を打開する術を持つ。
試合当日は雷雨も予想されており、状況に応じてロングボールを多用する可能性もある。ピッチコンディションによってはパワーで押し込む展開もあるかもしれないが、「今までのイメージは結構放り込んできていたイメージ」とGK鈴木彩艶(浦和)も話した通り、ボールを大事にする戦い方は今までの韓国にはない強みだ。
韓国のスタイルやメンバー構成を踏まえたうえで“日韓戦”のポイントは3つある。
1つ目は中盤の構成だ。今大会の日本は4−3−3をベースとしつつ、相手や展開に合わせて複数のパターンを使い分けてきた。その中で韓国のプレー強度を考えれば、システムはやはり4−3−3がベストだろう。キーマンはボール奪取能力と運動量に長ける藤田譲瑠チマ(横浜)。アンカーに入る彼を軸に守備の強度を上げ、相手のパス回しを封じたい。
インサイドハーフの組み合わせは複数考えられるが、守備に比重を置くのであれば、球際に強い松岡大起(清水)と松木玖生(FC東京)のセットが有効。逆に攻撃的に振る舞って序盤から相手を飲み込むのであれば、鈴木唯人(清水)と山本理仁(東京V)の組み合わせも面白い。「今いる我々のグループの選手が最大の力を出せるようなゲームにしたい」と大岩剛監督も話しており、志向する最終ラインからボールを動かす戦い方を韓国戦でも継続するのであれば、鈴木と山本に中盤を託す手もある。
2つ目のポイントは細谷真大(柏)の活かし方だ。韓国はハイラインを敷いてくるため、最終ラインとGKの間にスペースが生まれやすい。そうなれば、裏抜けを得意とする細谷が特長を発揮しやすい状況となる。
「相手が前から来るのは分かっている。隙は絶対に生まれると思っているので、そこを突ければチャンスが生まれると思う」と細谷も狙い目だと感じており、中盤の選手との関わりも大事になってくる。相手DFと駆け引きをしながら、2列目や3列目からパスを引き出せるか。動き出しにメリハリを付けてボールを呼び込めれば、相手を出し抜く回数は増えるはずだ。
そして、3つ目が中島大嘉(札幌)の起用法だ。今回の韓国は歴代のチームと比べて、サイズが圧倒的にあるわけではない。だが、フィジカルの強さに定評はあり、190センチ近い大柄な選手もいる。