女性は妊娠17週目のある夜に背中に痛みを感じ、翌朝、羊膜の一部が体外に露出しているのに気付いた。そのため、同院の救急外来を受診。その時点で女児を包んでいた羊膜の大部分が外に出た状態で、女児の心拍も停止していた。
蔡慶璋産婦人科副部長によると、結婚から6年にして子供を授かった女性の心情を考慮し、女児を産んだ上で子宮頸管縫縮術を施し、残る男児の羊膜を子宮内にとどめることを決定。その後は抗生物質の投与を行うなどした。女性は19週目には退院し、自宅安静を続けた。。
女性は28週目に腹痛と出血の症状があったものの、翌週に自然分娩(ぶんべん)で1160グラムの男児を出産した。鄭欣欣産科主任によれば、男児はすでに生後3カ月が経過し、退院した。体重も4000グラムを超えたという。
蔡氏は、産科チームがすでに柔らかくなった子宮頸管に縫縮術を施すのは
双子の出産では初めてで、文献でも数件の事例が報告されていただけだったと説明。女性が途中退院できたことは「もう一つのサプライズだった」と語った。
(洪学広/編集:齊藤啓介)